STAR OCEAN Sanctions of God







第九章 







第三部  








ズゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!!!



地響きと共に魔族が、人々が交えようとしていた



「ひぇー!数が多いなぁー!」

チサトが駆け足で駆けながら右拳を構える

近づくにつれ魔族達の大きさが分かってきた

「ちょ…ッ!大きすぎ!!」

魔族は平均でも4、5Mはあり、様々な種族が交じり合っていた

ボーマンが笑いながらチサトを見やる

「なんかミサイルとか呼び出せなかったか?」

チサトは首を横に振りながらニヤリと笑みを浮かべた

「誇りをかけて戦うのだから…原始的なやり方で対等に戦うわ!!」

スチャッと名刺を取り出した

ボーマンが苦笑いしながら表情を引き締める

「どこが原始的なんだよ」

チサトが名刺一枚一枚に想いを込める

「これは、私が戦ったって証拠にするのッ!!!」


「バーニングカーズッ!!!!」


一斉に名刺を投げつけ、前方の魔族を一瞬怯ませた

チサトは一度片足に力を込めて態勢を低くした


「私の生き様を見せ付けてやるんだからぁッ!!!!

チサトォッ!!いっきまぁーすッ!!!」




「真・朧ぐるまぁあああああッ!!!!!」



ズギャァァアアアアンッ!!!!



遠くから見ても分かるほどの炎を上空にまで上げながらチサトは高速回転

前方の魔族を吹き飛ばしていった

綺麗に止まる寸前に魔族の体に蹴りをかます

今のチサトの一撃で前方に数十メートルの魔族のドミノ倒しがおこっていた

その勢いに負けぬ勢いで人間がぶつかっていく

ボーマンが魔族の体を蹴り飛ばしながら上空に舞い上がり




「極桜花炸裂陣ッ!!!!」



ズゴゴゴゴゴォオンッ!!!!!


壮大な爆発と共に下にいた魔族が殲滅されていく


だが…


「多すぎる…!」

ボーマンは落下しながら空中を飛ぶ魔族に掴まって周りを見渡した

今の状態は…




「なんだこりゃぁ…」

魔族は人間の壁を軽々吹き飛ばし、既に城壁に近づいていた

ぶつかっていった筈の人間はほとんど見えず、ただ目の前は魔族が覆っている

チサトとボーマンが吹き飛ばした魔族の死体も踏み越えて城門に向かって突き進んでいた

「オリロ」

乗っていた魔族が上空を旋回してボーマンを落とそうと急降下した

「おいッ…!お前はなんで戦う!」

とっさだった

ボーマンはこのままいけば魔族の大群に飲み込まれる

でも、なぜかボーマンは問う


「……ワレラノホコリノタメ…ワガシソンタチノタメ」


あぁ、やはり俺らと変わらない理由でぶつかってきてやがる…

そんな想いをした奴らが数でぶつかってきたんだ…

勝てる筈がねぇか…


でもな…


「諦めるよりッ俺はッ!!今を戦うんだよッ!!」


気を両手に溜め込み、落ちる寸前で魔族たちにたたき付けた



ズギャァアアアン!!!



一瞬の地面に降り立ち、態勢を立て直す

目の前に迫る魔族の全速力の突進に目を向ける

いつのまにか隣にチサトが降り立っていた

何も言葉を交わさなくても気を交える事を承知する


「神宮流ッ…!」

「桜花ッ…!」


「「竜波動ッッ!!!!」」







ズギャァアアアン!!!






気を一つにした大きな竜の波動がボーマンとチサトを中心として

大きく周りを旋回しながら魔族を直径100M程蹴散らしていく

再び魔族達の隊列を乱すが…

雪崩に上からダイナマイトを落としたようなもので、勢いが止まらない

先頭は既に最後尾の紋章術師達にまで達しているだろう…
















---城門内---


「クリス…」

セリーヌが戦況の報告を受け、不安が隠せないま様子でクリスに呼びかける

「僕らは本当に最後だよ、彼らを信じよう」

冷静なクリスは報告を受けながらも心では負けを覚悟した

「最後の…ボーダーライン…

マーズの人々の…陣…」

セリーヌは表情を緩める

「そうでしたわね…」














---城門前---


「まぁ…見越してはいたがな…ここまであっさり来られるととはな…」

セリーヌの父はただ空を眺める

「我らの紋章術をとくとご覧頂こう…」

村長を中心に陣を組んだ数十人の紋章術師達

詠唱をしながらも前方の風景に惑わされず

紋章術師としての誇りがただただ空気を震わせる

一人一人の足元に紋章が刻まれ、紋章が光りだした


『我等が大地に契りを結び』


村長が詠唱する言葉一つ一つが地面を振動させる

そして紋章術師達の下に一つの大きな紋章が出来上がり

恒星に負けぬ勢いで、辺りを明るく照らした


その様子に城門にいる兵士達が恐れを感じ始めた

「なんだありゃあ…今までに見たことがない…感じた事がない…!」

クロス王国の紋章術師はほとんどがマーズ出身

だが、本当の紋章術師は自らを常に精進し、王国にはついていない

そんな賢者のような紋章術師達はひたすらエクスペルを感じ取る

そして、このエクスペルで最大の紋章力を持つとされるマーズ村、村長

いつもの穏やかな表情からは想像できないような表情で紋章の中心の光をよりいっそう大きくする

その陣の真ん中で詠唱する姿は神に等しいような存在

村長はただただ大地を踏みしめる









---城門内---


「始まりましたわね…」

セリーヌが詠唱の声、そして大地が振動する感じで察知する

クリスがセリーヌに顔を向けた

「どれ程…なんだい…?そのマーズ村の人々の混合紋章術っていうのは…?

セリーヌの紋章術より凄いのかい?」

セリーヌが少し恐ろしい程の表情で空を見上げる

「私は紋章術自体で個人ではエクスペルでは隋を抜いていると思いますの…

私はエクスペルだけじゃなくて、他の星の鼓動や息吹も知っていますから…

でも…マーズの村の人々はエクスペルの大地の鼓動を常に感じ…

見極めている…

その人々が一つになって村を、人々を護るために受け継がれてきた破壊の紋章術…」

クリスが破壊と聞いて眉を潜める

「破壊の紋章術?」

セリーヌが頷く

「紋章術は少し使うだけなら、特にあまり変化はありませんけど…

元々は星の力を消費、自然の摂理を壊しながら使う術…」

クリスは驚きを隠せずに目を見開いた

「今まで…そんなこと…」

セリーヌは微笑む

「私も最近まで知りませんでしたけれど…

エクスペルを離れて紋章術を使ってきたりしたら…

分かってきたんですのよ…

このエクスペルの自然の物質や摂理を無理やり人間の使いやすいように変換している事に…」

クリスは目を細めてうつむいた

「破壊の紋章術…それほど…強大な…紋章術なんだね…」

クリスは詠唱が未だ心の奥をすり抜ける気分に唇を噛み締めた

「今…クロス大陸の人々は本当の危機に直面していますわ

だからエクスペルを傷つけていいかと言うと…難しいですわね

でも…こう考えてしまうと…


今を生きる事ができませんの


そう、魔族に、エクスペルに


哀れみをなくしてまでも生きたいと思う理由があるから…」









クリスは何も言わずにひたすらに前を見つめた


セリーヌが今を見つめる





「人それぞれの明日があるから…ですわ」



クリスが大きく頷いた

「その明日の危機のために…使うんだね」

セリーヌがクリスの手をギュッと握り締める

「ええ…これが人間の勝手だとしても…それが…生きる…ということですから」








---城門前---



村長が今まさに最後の詠唱を唱えようとしている

既に魔族は目の前に迫り、あまりの兵士であらがうのに限界がきていた




『我等、古の星の力を解き放たん…』






ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォオオオッッ!!!!!!!







エクスペル自体が揺れ始め、巨大な地震がクロスを中心に地震が襲う

クロスの弱った城壁が崩れ始め、人々が叫び声を…

魔族は態勢を崩していく

地震は激しさを増し、マーズ村長が眩い光を放ちながら

メキメキといいながら悲鳴をあげる右手を魔族達にむけて差し出し

大きく天に手を差し出し、その途端に右手から光が放たれた
















『スターグラウンド』















ズギャアアアアアアアアアアアアァァァァァンッッ!!!!!!!













紋章術師の前方の空気が揺らぎ、何十キロに渡りその光の塊が魔族達に直撃した
















*こめんと*




難しいお話です

なんとも…まぁ…

うーん…

今の地球にも語り掛けなくてはいけないですかね…?

まぁ…人それぞれが意思を持ってますから既に

生き方違いますからね

魚類と哺乳類のように違う生き物みたいな感じで

それが同じ意見で動くのは大変難しい

相手が意思をもたない動物とかだったらある程度は動きやすいかもしれませんが

魔族がそれぞれの生き方を誇りを持っている事を知っているのは動きずらいです

それでもクロスの人々を救うため、マーズの紋章術師達が

最後の切り札の破壊の紋章術を使用

星の力を借りて魔族を殲滅できるのか…?





チサトとボーマンの合体奥義…!

想像するだけで、あぁーこりゃあ強いと思いますねー!

と、なんだか話しが堅苦しくて申し訳ないです

果たして…英雄達に休息は…?


こう…ご期待ーです




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