第六章 第五部 ちょと変更:クロード用メカバイン<カルナス>→<カルナスノヴァ>(戦艦F・カルナスと間違え易いため 「なぁ…俺らはまだ動かないのか?」 ヴァンの暇そうな一言 プリシス含め、レナを除くメンバーはハイダのホテル付近の 海辺で停泊しているFカルナス内のロビーで黙々とそれぞれ色々と気持ちを紛らわす事をしていた 「レナは?」 アシュトンは先程レナの様子を見てきたプリシスに恐る恐る聞いてみる 「少し放っておいたほうがいいと思う」 場が余計に嫌な空気に変わった 「レナが元気に出発しようとでも言ってくれれば問題なかったんですが…」 リヴァルがうつむいたまま瞳を瞑っている 「その前になんだか喧嘩をして傷ついて落ち込んでたのに… 追い討ちをかけるように…クロードが…」 プリシスがすかさず立ち上がった 「く、クロードが死ぬわけないじゃん!! 今まで私たちを引っ張ってきたクロードだよッ!? そ、そんな簡単に…」 どんどんと声が弱まるプリシスを横目にアシュトンが立ち上がる 「そうだよッ!!いつだってクロードは…!」 レオンが呟く 「少しクロードに頼り過ぎじゃないか?」 アシュトンは目を見開きレオンの首根っこを掴み上げた レオンは表情を変えずにアシュトンの顔を見る 「レオンは…クロードが生きているって信じていないの!?」 アシュトンは眉にしわを寄せレオンを睨み付けた 「今は…何をしでかすか分からないマザーを片付ける事が先じゃない? クロードはここで立ち往生している僕らを見てどういう顔をすると思う?」 アシュトンはレオンから手を離し、背を向けて早歩きでその場を後にする その場の雰囲気は最悪なものであった 「ちょ…!レナ!どこへ行くの!?」 プリシスの叫び声がその場にいた皆をハッとさせる モニターにはレナが小型宇宙船に乗り込もうとしている姿が映っていた その隣にはアシュトン 「ちょっと!アシュトンまで!どこに行くつもり!?」 汗が吹き出るかのような気分で焦るプリシス レオンは立ち上がり自分の部屋へ戻り、リヴァルはその後を追う 残っているヴァンは目を瞑ったまま ギョロウルは無表情で座っていた モニターでレナが呟く 「カルナスノヴァがないの」 そう、クロードのためにプリシスが作ったロボットであるが プリシスは首を傾げる 「だってクロードはカルナスノヴァじゃ出ていってないでしょ? あれ…でも確かにない…いつのまに…」 レナはうつむいて喋りだす 「ついさっき思い出したの…私がクロードと喧嘩してクロードが出ていった後… 勝手にカルナスの格納庫のハッチが空いたことを… そしてそのカルナスノヴァのレーダーは既にこのハイダにないということ」 プリシスは耳を疑った 「そんな…操縦者がいないと動かない設定なのに…」 それはカルナスノヴァが自動で動きこの格納庫のプログラムに観賞したということ そして格納庫にカルナスノヴァが存在しないこと レナは確信を持った表情でプリシスに呼びかける 「私はカルナスノヴァのレーダーを追って真相を確かめる」 プリシスは焦った表情のまま眉を上げた 「レナ一人じゃ危ないよッ!!」 プリシスはアシュトンが行かないでいてくれると信じている レナは横にいるアシュトンを見て笑顔を作った 「アシュトンが着いて来てくれたから大丈夫」 プリシスは今までにないような嫉妬感を覚える 「アシュトンは…なんでレナに着いていくの…?」 クロードの生存を確かめるというのは分かっていたが… プリシスは動揺した様子で肩を震わしアシュトンに顔を向けた 「レナ一人じゃ危ないから…それに…」 「へぇ、そうッ!!!勝手にすればッ!!?頑張ってクロード探せばッ!!!?」
アシュトンの顔が一変する 一言も喋らずに軽蔑の目線を向けられるプリシス その顔を見たプリシスはうつむいて肩を震わせる涙が溢れそうになって思わず腕で拭く レナは申し訳なさそうに頭を下げた 「ごめん、勝手に探すねプリシス 確かに任務はエディフィスだけど…私は任務よりも… 私よりもクロードが…大事なの」 レナはそう言うと少しうつむきがちに瞳を閉じる アシュトンは何も喋らずにプリシス同様にうつむいていて… それ以上プリシスは何も言わなかった プリシスは自分の部屋のソファーで泣き崩れ 延々とプリシスは天井に訴え続けていた 「ぅ…くッ…馬鹿アシュトンッ…ばかぁあッ…」 「レオン…」 リヴァルはレオンの部屋でレオンを見つめ続けていた レオンはベッドに座ってただただ肩を震わしうつむいている 「レナとアシュトンは行ってしまったようですよ?」 レオンは無言で立ち上がり、顔を引き締めた 「あの二人ならクロードを絶対に連れて帰ってくる それで僕も心置きなく任務を実行出来た… 行こうリヴァル」 リヴァルはにこやかに笑い、頷く 部屋を出るとヴァンが待っていたかのように笑む 「さ、行こうぜエディフィス!」 レオンは笑みを浮かべて頷いた 「良かったの…?アシュトン…」 レナはレーダーへの自動飛行に切り替えて席を立ち 後ろのソファーでうつむきながら座っているアシュトンに振り返る 「あぁ、レナだけじゃほっておけないし、クロードが生きてるって… 信じてるから… まぁ皆も思ってるだろうけど…」 レナはアシュトンの横に座ると顔を除きこむ 「プリシス怒ってたよ?」 アシュトンはどことなく微笑む 「あの時の感情のままに怒っただけだよ… 本当に怒ってるわけじゃない」 レナは少しキョトンとしていると、クスッと笑う 「さすがだね」 アシュトンは困った表情で赤くなる 「俺は少しエクスペルへ行って修行に出ようと思う」 ギョロウルが集まったメンバーにそう言った ヴァンはそうかそうかと言うだけ プリシスは困ったような表情で聞き返す 「な、なんで?これから一緒にエディフィスに行ってくれるんじゃ…」 ギョロウルは首を横に振る 「今の俺だと足手まといにしかならない」 レオンが首を傾げる 「十分強いと思うけど…」 ギョロウルは宇宙を見渡す 「今元の竜の姿に戻ると体がもたないんだ 俺はお前らを信頼し、仲間だとしっかりと認識している だが、元に戻るとどこか本能に勝てない部分がある事に気付いた それは俺の弱さであり今の限界だ 誇り高き魔族という物を捨て、人間とともに生きてきたせいだと思っている」 レオンは困った表情でギョロウルを見つめる 「人間には限界があるって言いたいの?」 ギョロウルは首を横に振る 「俺は魔族だ…人間にはなれない それに…エクスペルの銀河連邦の加入の前に エクスペルの魔族は近年排除されるのだろう?」 それを聞いてレオンとプリシスは顔を伏せた 「どこで知ったの?それ…」 実際それはまだ民衆が知りえていない事で、エクスペルなら王あたりしか知らない事である エクスペルは近年銀河連邦に加わるのだ それはプリシスのおかげでもある 「プリシス…マナ・クリーナー…試作段階までできているのだろう?」 プリシスは思わず息を飲む、その事実を知っている事に驚きを隠せない (エナジーストーンやマナ・クリーナーについては一番下に記載) 「魔物が完全に排除されるのは魔族にとっては誇りを取り戻せるだろうが… 銀河連邦に入るとなると…魔族と恐れられていた者達も一掃される 事実であろう?」 プリシスは頷くしかなかった 「ギョロウルだけには知られないようにやってたんだけどな…」 ギョロウルはため息を漏らす 「気を使ってもらわなくてもいい…俺等はそういう存在だ 隠したところで他の魔族がとっくに知っている」 プリシスは驚いてしまう プリシス達がギョロウルが魔族という意識が薄れていた証拠であるのか… やはりまだどこかで魔族=魔物とどこか勘違いしていたようで よく考えれば人間と外見は違うが知的生命体であるのだ 「ジーネ…とか…やられちゃうのかな」 ギョロウルは腕を組んで呟く 「魔族には誇りがある 必ず…自ら命を絶つか…最後に人間を襲い、戦いの中で死ぬか だから少し俺は魔族達ともう一度話し合って、魔族はなんたるか見極めてくる」 レオンは少し不安そうな表情でギョロウルに話しかける 「必ず…帰ってくるよね?」 ギョロウルはレオンの瞳をじっと見て後微笑んだ 「当たり前だ…仲間が危険を冒して任務を行っているのだ… いつでも助けに向かう」 *こめんと* うっはー… 凄い時間が掛かってしまった… やっぱり<マナ・クリーナーとクリエイションエネルギー>あたりの考察が… 調べてもなんだかSO2の攻略本と少し違っていて… 相当悩みました 結局はSO2の攻略本を基本に考えさせていただきましたが… SO3の攻略本は貸しっぱなしで…何か違う見解がなされているのか、どうなのか… ご指摘掲示板で待っています 今回はみんながばらばらになっていきますね クロードがいなくなった事で変わっていく物語 果たして…どうなっていくのか…! こうご期待(無責任←そろそろこれやめようかな… <マナ・クリーナーとクリエイションエネルギー> マナ・クリーナーとは今の段階では試作ではあるが なぜマナ・クリーナーというものが必要か… それはエナジーストーン、そしてエクスペルの汚染が影響している 紋章力を結晶化させたものをクォドラティックスフィアと呼び 今ではエクスペルのエナジーストーン(クォドラティック・キー)を極限まで高純度に精製 さらに一定の構造を持つ様に加工する事で利用可能なクォドラティック・キーを使用している レナが一番最初に持っていたペンダントがそれであり、それは母の実験の際の対のクォドラティック・キーであった 今唯一残っているソーサリーグローブ(クォドラティックスフィア)落下の際に落ちた 対のクォドラティック・キー(エナジーストーン)だけが残っている(クォドラティックスフィアとクォドラティック・キーは対で凸と凹な関係) この二つの組み合わせでクリエイションエネルギー(無限大の力)というものが出来る(十賢者はこの力でネーデの軌道にエクスペルを衝突させた まだネーデ人以外ではクリエイションエネルギーを知らないし、恐ろしさも分からない 知ったところでクォドラティックスフィアやクォドラティック・キーはネーデ人にしか作れないが ソーサリーグローブ(クォドラティックスフィア)の対であるクォドラティック・キー(エナジーストーン)だけは残っているので ソーサリーグローブ同様のクォドラティックスフィアを作れれば問題はない ソーサリーグローブ(クォドラティックスフィア)落下の際に落ちた対のクォドラティック・キー(エナジーストーン)は一部気化しエクスペル全土を汚染 この汚染が生物を凶暴化、魔物化、歪ませた この汚染を除去するのがマナ・クリーナーである これを使えば凶暴化した魔物を元の状態に戻せるし、しっかりとした惑星になるのだ 試作段階ではあるが十分エクスペルで試行し、数年後には実用するつもりである クォドラティック・キー(エナジーストーン)は出力や、エネルギーに変換などを行うとクォドラティック・キー汚染が生じ まれに人間の負の精神にリンクして同調する場合がある 試作のカルナスノヴァや無敵君にも初代無人くん同様 クォドラティック・キー(エナジーストーン)だけを使いそこにマナ・クリーナーを積んでいる 無人くんの際はプリシスがなんとか試作にも程遠いがマナ・クリーナを設置していた クォドラティック・キー(エナジーストーン)はクォドラティックスフィアの制御のためのものなので それほど凄いエネルギーになるかと言うと微妙である back