STAR OCEAN Sanctions of God







第六章 






第四部



『戦艦航付近で三名を捕らえました、付近の戦艦には誰もいないようです』

「そうか…」

隊長らしき男は帽子を深くかぶり捕らえられている人々に叫ぶ


「お前らにはこれから我らがここに作るパラダイスの住人になってもらう!」


辺りは騒然とし、反抗しようとするものがいるがその人々には銃口を付き付けた

「プリシス!落ち着いて!」

アシュトンがじたばたするプリシスを押しとめる

「だ、だって!訳の分からない海賊達の作る変な星の住民になるんだよ!!?」

アシュトンは少しだけ目を細めると首を横に振る

「それでも…ここで暴れてもどうしようもないよ…」

プリシスはぐっと言いたい事を飲み込み膝を抱える

「戦艦にいた皆は捕まっちゃったし…

どうすればいいのさ…」

アシュトンはゆっくり後ろからプリシスを抱きしめる

「大丈夫…なんとかなるさ…

プリシスがそんなんじゃ

なんとかなることも、どうにもならなくちゃうよ…?

今は従っておこう…」

プリシスは唇を噛み締めてアシュトンの腕にギュッとしがみついた

「俺はそろそろ暇で死にそうなんだが…」

ヴァンがアシュトンとプリシスの隣でボソリと呟く

「ヴァン…暴れちゃ駄目だよ?他の人に被害が及ぶ可能性が高いから…」

ヴァンは頷くというよりはしょうがなく首を振る

そして横で腕を押さえるレイアを見てため息をついた

「腕、応急処置はしといたが…やっぱり痛むか?」

レイアは何も言わずに首を横に振った

またため息をついたヴァンは回りを伺う

捕まった人達は150人程

敵のロウズは20いるかいないか

武装は全員している

だが、警戒はあまりしていない様子

「なぁ、この後俺らはどうなるんだ?」

一人の隊員がヴァンに目を向けた

「隊長はここをパラダイスにするのだ

だからそれの再建に加わって貰う」

プリシスが乗り出して睨み付ける

「そんな事に従うと思ってるの?」

隊員は微笑し銃口をプリシスに突きつける

「従わないなら一生牢獄で働くか何かしてもらうさ」

プリシスは怒りを押し静めながらゆっくりと座った


「はぁ…どうしてこういう時にさぁ…」

レオン達はロウズの隊員達に連行され、ボスらしき人に突き出された

「お前らは他の者とは違うようだが…」

レオンがリヴァルの手を取る

「し、新婚旅行です!」

リヴァルはうつむいて赤くなってしまっている

レオンも必死というかなんというか、一緒になって赤くなっていた

「…随分と若い夫婦だな…

じゃあ、こいつは仲間じゃないのか?」

ギョロウルをさされ、そこでレオンとリヴァルは固まってしまった

追い討ちをかけるように副団長イーヴァスが駆け寄ってくる

「団長!こいつら俺らに反抗した奴らです!」

レオンがニヤリとにやつきながらイーヴァスを見つめる

イーヴァスは一歩引いてにらみつけてくる

「おい、反抗したら弱らせて捕らえてこいと言わなかったっか?」

イーヴァスは苦笑いでまた一歩下がる

「そ、それが…こいつら中々の強さで…」

団長は呆れた顔でイーヴァスを睨み付けた

その後にレオン達を見やる

「おい、お前達…この団に入るつもりはないのか?」

レオンはきっぱり

「ないです」

団長は分かっていたかのように頷いて掴まった人達のほうにやれと目線で送る


「あれ?クロードは?」

ロウズ達は何かしらちゃくちゃくと進行している

その中でレオン達はクロードがいないことを確認して少しだけ助けへの期待感を高めた

「一旦カルナスに戻ってくれてるといいんだけど…」

レオンがポツリと呟くとギョロウルが口を開く

「さっきからこの周辺の『音』を聞いているんだが…

クロードらしい呼吸音が聞こえないぞ?」

レオンは青ざめて隊員に聞いてみる

「誰か…反抗した人を殺したりしてないよね?」

隊員は頷いて銃を背負い直す

「殺したって報告はまだ入ってない

なんだ?まだ仲間でもいるのか?」

レオンは苦笑いして、手を横に振る

隊員はぼそりと呟いた

「まぁ…さっきホテル自体半壊したからな…巻き込まれてれば命はないな」

レオンは少し焦りを感じていた

自分らより先に行ったクロード

先に出たアシュトン達はその倒壊から危機一髪で逃れ

自分たちは瓦礫の上を歩いて行った始末である

「ま、まっさかー!クロードが…」

プリシスも不安になり始めたのか焦りの表情を見せた

その時

『皆聞こえる?』

レナの声がかすかにもっているモデムから聞こえてきた

「れ、レナ?良かった、無事だったんだ…

あれ?でもカルナス内じゃないよね?」

プリシスが安心そうにしながらレナの座標位置から見ると宇宙圏なのである

『うん、敵がカルナスに一気になだれ込んで来た時に調度連絡が取れた銀河連邦の戦艦に転送してもらったの』

プリシスは笑みをこぼして静かに答える

「って言うことは応援が来てくれたんだね…」

レナは話を進め出した

『一応今の状況を説明してもらえるかな?』

プリシスは回りを見渡しながら出来る限りの情報を伝えた

『うん、今の状況は把握出来た

一応今から伝えることを的確に行って貰いたいの、いい?』

プリシスは頷いて答える

その間レオン達は平然を装いロウズ達の気を紛らわしていた

『一応そのホテルはほとんど半壊していつ崩れるか分からないの、一刻を争うから聞いて

ホテルにいる人々は全員一塊になっているということでその場所は確保してるからその一帯に出来る限りぎりぎりの戦艦への転送を行いたいの

だから少し無謀かもしれないけど捕らえられた人たちの周りにいる敵を排除してもらえる?

その後は自力でカルナスに戻ってもらう方法になっちゃうんだけど…

大丈夫かな?』

案としては少し無理が生じているが、難しいものではなかった

ある意味人質とされている人達の解放を待っている間にホテルが崩れてしまっては意味がないのだ

プリシスは伝言でその内容を仲間の全員に伝えた

「すまないが俺はこの人々と共に転送させて貰う、足手まといは嫌だからな」

ギョロウルがふらつきながらも答え、後ろに下がった

「まぁ…こいつらが相手なら…余裕だな」

ヴァンが答えると、隣のレイアが寂しそうに見上げる

「戦うのですか…?」

ヴァンは頷いてレイアを後ろへやった

だがレイアはヴァンの腕を掴んで離さない

「…なんだ?」

レイアはうつむきながら呟く

「私はやっぱり邪魔ですか…?」

ヴァンは頷く

ゆっくりとヴァンの腕を離すレイア、そしてゆっくり下がっていく

その後ろにいた団員はレイアを慰め

団長はヴァンに頭を下げた

「うちの娘がご迷惑をおかけしたようで…

すいません…」

ヴァンは何も答えない

ただゆっくりと立ち上がる

それが合図だった

レオンやプリシス、アシュトンは構えに入り、リヴァルは回りを伺っていた

レイアは呟く

「また…会えますよね?」

ヴァンは答える

「縁があればな」

立ち上がり少し様子がおかしいレオン達に隊員は銃口を向ける

武器を取られたレオン達をあまり警戒していない様子ではあった

「おい…誰が立っていいと言った?」

その瞬間


ズガァアアンッ!!!


ヴァンの空を切る一撃

そしてレオンの強烈な一打

何が起きたのかそれが分からないまま捕らえられていた人達の周りの敵達を吹き飛ばした


「プロテクション!!!」


リヴァルが人々に大きな守りのオーラをかける

プリシスは一気に敵の中に走りぬけ取られていた自分たちの武器を取り天に放り投げた

唖然としていたロウズ達もやっと判断し、レオン達に銃口を向けるが…


ズガァッ!!!


気が付けばロウズの半分以上は既に床に伏していた

レオンは次々と敵を確実に一発で仕留め、双剣を手に取ったアシュトンは軽やかな動きで敵の武器を切り刻んだ

ヴァンは刀を手に取り、向かってくる敵を確実に気絶させた


ブゥゥウウン!!!


敵を殲滅する寸前で捕らえられていた人々は転送された

「うーん…ここまで弱いとは…」

レオン達がカルナスの方向へ向かって走っていく

が…

「中々の強さじゃねぇか…

あぁー…捕虜は持ってかれるし…

仲間はボロ負け…失敗かよ…まぁいいか」

目の前に立ちはだかるロウズの団長

そして手に持っていたコントロールキーを押した


ズガァアァアァアンッ!!!


辺り一帯が仕掛けられていた爆弾によって爆破させられる

「本当は使いたくなかったんだがな!!

銀河連邦まできちゃあ、面倒なんだわ!

ここまで負けると俺もムカつくし!

俺は退散させてもらう!!!

じゃあこのホテルごと吹っ飛ぶといいぜ!!」

団長は笑いながらワープして行った

プリシスは舌打ちをする

「意味分かんない!」

そう言いながら瓦礫の山を走りながらプリシスは叫んだ

「レナ?カルナスは?」

『今カルナスに戻っていつでも発進できるようにしてる

だから皆急いで!』

「っとはぁ!」

アシュトンが天井の崩れをなんなく避け、レオンが邪魔な瓦礫を吹き飛ばしながら進んで行った

「それで、ロウズは銀河連邦のほうで捕まえられたの?」

『ロウズの宇宙船も既に銀河連邦の存在を感じていたらしく宇宙圏に既に移動済みで

転送や、カルナスの収容を完全に行っていない銀河連邦軍は動けずにまんまと逃げられたの…』

「あちゃー…」


ズガァアァアァアンッ!!!


「きゃぁあ!!!!」

「ちぃ!!!」

今の爆発で皆の走る上に何十トンあるか分からない瓦礫の固まりが落下

レオンはリヴァルの手を引いていて上を見上げただけで精一杯

プリシスとアシュトンは構えに入るも少し遅い


「どぉおりゃぁあああ!!!!」

ズゴォオオオンッ!!!!


ヴァンの痛恨の一撃

瓦礫はばらばらに粉砕された

「プロテクション!」

なんとかぎりぎりでリヴァルがシールドを張った

「急ぐぞ!!」

ヴァンが駆け出す

皆はどこか嬉しそうにかけて行った


---カルナス艦内---


「ぎりぎりぃ〜…」

プリシスがばたんきゅーといいながらその場で倒れこむ

「こんなに走ったの久しぶりだよー…」

皆疲れきった様子で艦内に入り込む

「皆お疲れ様!早速だけどこのままだとホテルに潰されちゃうから操縦もろもろよろしくね」

笑顔でそう言うと銀河連邦軍との連絡を取る

「ひゅ〜…間一髪…結局あの宇宙海賊は何がしたかったのかなぁ…」

カルナスはなんとかホテルを抜け出し、銀河連邦の戦艦に収容された

プリシスが呟くとレオンが伸びをして

「三流の宇宙海賊って事だろう?なんかパラダイス作るとかいって負けたら逃げる

プライドってものないのかなぁ…」

リヴァルは目を見開いた


「く、クロードは…どうしたんですか?」


皆が固まり、青ざめていく

「れ、レナ?クロードはこのカルナスに戻ってないの…?」

プリシスは恐る恐る聞いてみる

レナは硬直したまま

「捕まった人たちと一緒なんじゃ…」

プリシスは唖然としながら首を横に振る

「嘘…じゃあクロードはまだ…ホテルの中…?」

レオンはモニターで凄い勢いで崩れ爆発するホテルを見て呆然とした

「ちッ…」

ヴァンが舌打ちし、リヴァルが唇を噛み締める

レナが目を見開いて倒壊するホテルを見て叫んだ


クロードォオオッ!!!!!!!!!



*こめんと*


なんだか話しを考えるのがちょっと滞ってしまいました

うーんとなんだか色々悩みました結果

こんな感じに;

でもある程度はこちらの考えている通り進んでいます;

皆忙しくてクロードを忘れていました!(残念

レナ災難続き…;;

ごめんないさいッ!!(泣


果たして、これからクロードのいない旅はどうなっていくのか…


長々〜とこうご期待くださいませ!


皆!めげずに頑張れ!(無責任



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