STAR OCEAN Sanctions of God







第六章 






第三部




「うーん…あんまり見張りとかいないなぁ…」

プリシスとアシュトンは大広間へ続く廊下を走っていた

アシュトンがちらりとプリシスを見た後に笑みをこぼす

「アシュトン…?どうかした?」

プリシスは立ち止まって首を傾げる

「いや、なんか楽しそうだなぁって思って」

プリシスは含み笑いをして歩き出す

「だって、楽しいじゃーん?また皆と一緒にこんな事できるとは思ってもみなかったからさー」

アシュトンはきょとんとした表情をした後にプリシスの後を付いて行く


ズガァアアン!!!


「わっ!!ま、また爆発!?」

ホテル全体が揺れ動くような爆発に不意に二人は立ち止まってしまった


ゴゴゴゴゴゴッ!!!


プリシスは驚きながら天井を見上げた

「プリシス危ない!!!」

アシュトンが崩れ落ちてきた天井を見て、プリシスと一緒に前方に飛んだ

「わぁあ!!」

「くっ!」

なんとか回避した二人だが、砂埃で前方を見失い、敵に囲まれている事に気付かなかった

「抵抗すれば殺す」

アシュトンとプリシスは状況判断し、投降した




「……レナに…何が分かるって言うんだ…」

クロードは拳を握り締めながら廊下を走っていた


ズガァアアン!!!


ゴゴゴゴゴゴッ!!!


「な、なんだ今のは!?」

その途端に砂埃が目の前を覆った

「ホテルを崩壊させるつもりか…!?」


ゴゴゴゴゴゴッ!!!


「!?」

クロードは回りの柱が崩れ、天井が崩れるに気付く頃には天井が目の前に迫っていた

「う、うわぁあああ!!!」




---襲撃直前---


「何か来るな…」

ヴァンは廊下を進みながら空を見ていた

「あれは…ロウズ…」

瞳を見開き肩を震わせるレイア

ヴァンは首を傾げて問う

「なんなんだ?あの船」

だんだんと近づいてくる宇宙船はこのホテルの上辺りで止まったようであった

「宇宙を荒らしまわっている宇宙海賊です…!人を容赦なく殺して生きているって座長から聞いた気がします…」

ヴァンはあまり興味がないのか廊下を歩き続けている

レイアは怖さのあまりにその場で座り込んでしまった

「このホテルを占拠されてしまったたら終わりです…!」


ズッガァアアン!!!


「きゃぁあ!!!」

突然天井が爆風で落ちてきたのを見て、レイアは頭を抱えて目をギュッと閉じた

「ちっ!」

ヴァンは面倒臭そうにレイアを抱えて元来た道を走り出した

「あ、ありがとうございます!」

ヴァンは返事を返す暇もなく、ひたすら落ちてくる天井から逃げた



---大広間---


大広間に着くやいなやヴァンは舌打ちをした

上の階段からフェイズガンやコスモライフルを武装した奴等がなだれ込んできている


「このハイダプリズムホテルは我ら宇宙海賊『ロウズ』がいただいた!!!」


ホテルの客は次々と捕まっていく

「座長!!皆!!!」

強引に捕らえられる仲間を見てレイアは思わず叫んでしまった

「そこにもいたぞ!!!捕らえろ!!!!」

ヴァンはレイアを下ろし、後ろにやると構えに入った

「あいつ等は悪いやつらなんだな!?」

レイアは声が出せずにうんうんと頷く

ヴァンは神経を研ぎ澄まし、突っ込んだ

「抵抗する気だ!撃てぇえ!!!」


ズガァン!!!ズガァン!!!


10人以上からの一斉の射撃

だがヴァンは怯むはずもなく簡単に避けていく

「きゃぁ!!!」

流れ弾がレイアをかすめたらしく、右腕を押さえて倒れていた

「ちぃ…!!!」

ヴァンは気合を入れ、次々に放たれる弾を全て拳で消し飛ばした

「貴様は化け物かぁあ!!!」

一人の海賊がヴァンに剣で襲い掛かる

ヴァンはさっと避けて足で剣を弾き飛ばす

その瞬間には敵に囲まれて銃を構えられていた

「こんなんじゃ俺を倒せないぜ?」

余裕の表情を見せるヴァン

だが…

「ヴァ…ヴァンさん…構わずやっつけてください!」

レイアは海賊に捕まり、羽交い絞めにされていた

なんとか叫ぶが海賊に銃で殴られ気絶させられてしまう

ヴァンは思わず叫ぶ

「レイア!!!」

海賊は不適に笑みを浮かべていた

「さぁ…貴様はこの状況でどうするつもりだ?」

今までのヴァンなら所構わず暴れるところだが、レイアと出会ってしまった

レイアはそんな悪いやつではない

だから抵抗しないというのもあれだが、体が勝手に構えをやめてしまった

「馬鹿だな…俺…」





「貴様ら!!大人しく降参しろ!!!」

カルナスを囲む海賊達は抗うレオンとリヴァルに銃口を突きつけていた

「お前たちの目的はなんだ!!!」

レオンが拳を握り締め、構えを止めずに海賊達を睨み付ける

「お前らが知る権利はない」

レオンは鼻で笑う

「海賊風情で権利とか言うもんじゃないよ?」

海賊の数人が切れて襲い掛かるがレオンとリヴァルには到底かなう筈もなく、散々にされていく海賊達

ある一人の男が後ろから海賊達をどかしながら現れた

「中々やるようだな…どうだ、ロウズに入るつもりはないか?」

突然の誘いに唖然とするレオンとリヴァル

レオンはほのめかすように笑う

「入るんだったらこの場で死んであげるよ」

リヴァルが焦りながらレオンの腕を引っ張る

「し、死んじゃ駄目ですよ!!」

レオンは苦笑いをしてリヴァルをおだめる

「ふむ…一応名乗っておこう

私の名前が君らの最後に聞く言葉になるだろう

ロウズ副団長のイーヴァスだ

私にやられることを誇りに思うんだな」

そう言った瞬間にレオンの目の前にイーヴァスが双剣を持ってレオンに振り上げていた

その攻撃をものともせずにレオンは避けて腹に右足をめり込ませる

「ぐぅあ!!!」

レオンはつまらなそうな表情をリヴァルを見やった

「えい」

リヴァルは軽がるく溜め込んだ気を巨大化させてイーヴァスに放った


ズゥウウウン!!


「うおぁああ!!!」

イーヴァスは海賊達を吹き飛ばしながら遠くへ突っ込んでいく

その姿を見てレオンとリヴァルは唖然としていた

「副団長がこの程度じゃ団長も大した事なさそうですね」

リヴァルが笑顔で言うと、海賊達は文句を言いながら副団長を抱えて一旦退散して行った

「どうしますかねレオン」

レオンは考えた後にその場で座り込んだ

「多分また来る可能性あるから…一応ここで待機かな?」

リヴァルは頷いて息を付いた

「私、中のレナを見てきますね」

レオンは頷いて周りを見渡し、一息ついた




「レナー?レナ?」

いる筈の場所にいない

心配になったリヴァルは回りを見渡すがレナらしき姿は見当たらず

一応アシュトン達から応答があったので、答えてみる

「そっちの状況何か変化はありますか?」

ごそごそっと音がした後に小声でアシュトンの声がした

『ごめん、つかまっちゃったんだ

一応こっちから音量はMAXにしておくから…

リヴァル…?

あれ?レナとクロードは?』

リヴァルは分からないとだけ答えて目を細めた

『一応こっちからの声とか音とか拾っておいてほしいんだ

っとわぁ…ぁ…いえ…別に怪しいことは何も…

うぐぁ!』

『さっきからこそこそと怪しい奴が!!!』

『アシュトン!!!アシュトンに何してんのよ!!!きゃぁ!!』

声を出したいリヴァルだが、必死に押させてレナを探した

「レナー!?どこにいますかー!?」

所々探してみるが見当たらない

一応レナの部屋へ向かってみた

ウィーン…

自動ドアが開くとともにベッドでうずくまるレナを見つけた

「レナ!?どうかしたのですか!?」

レナは何も答えずに膝を抱える腕に力を込めた

「クロードと何かあったのですか?」

何も言わずに横を通り過ぎて行ったクロードを思い出し、リヴァルは不安そうにレナの肩を抱いた

「……ごめんなさい…」

リヴァルはそれ以上に何も聞こうとせずにレオンの元に戻った



「そうか…あの二人…まだどこか埋まらない場所があったんだ…」

そう言った後にレオンは表情を変えてリヴァルの肩に手を置いた

「皆は捕まっちゃった…そう考えたほうが妥当かな…

クロードなら捕まってなければすぐ戻ってくるだろうし…」

リヴァルはどこか不安そうにうつむいている

レオンもどこかため息をついている状態であった

「戻ったぞ」

不意に声がした方を見るとそこにはギョロウルが立っていた

「ギョロ、ウルルン!!無事だったんだね!!」

レオンが走って駆け寄って行くと、後ろにいる海賊達に気が付いた

ギョロウルは背中に銃口を向けられている

レオンは脱力した

「うそーん…」

ギョロウルは申し訳なさそうに頭を下げた

「竜になるのになれてなくてな…戻ったら死んだように力がなくなってしまったのだ…」

レオンはため息をついた





*こめんと*


なんだこりゃってなぐらい皆さんお久しぶりでございます

パソコンやりすぎで首おかしくして怠っちゃいました☆(コラ

まぁ色々忙しくなったわけです

それでもこのHPを見てくださっている方がいてびっくりです

ありがとうございますー!

ゆっくりとですが進めていきますので次回をご期待!!

っとぉ…

今回はなんだか色々とピンチな場面が多いですね

頑張れ皆!!!(無責任



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