STAR OCEAN Sanctions of God







第五章 






第四部



ズォォオオン


「今の主砲は回りの次元を飲み込んでエネルギーにしています!

左方エミュレーター損傷!移動に支障はありませんが、他のパーツに支障をきたす可能性があります!」

リヴァルが被害確認を行いながら目をモニターに走らせる

プリシスは頭をかく

「後方バンデーン艦!もう一発主砲来ます!!」

クロードは目を細め、息をゆっくりと吐いた

「回りの状況を確認しつつ右斜めに緊急回避!」

プリシスがカルナスの操作を行うが、相当焦っている

「間に合わないよクロード!!」

舌打ちをするクロード、レナに叫ぶ

「操縦を僕に回してくれ!!ブースト最大出力!!」

ガシャンという音と共にクロードの前に操縦レバーが現れる

それを素早く握り、右斜めに大きく動かしていく

「間に合うか…!!」


ズガァアアン!!


避けきることができずにカルナスは左の装甲が吹っ飛んでいく

「まずいです!左エミュレーターが完全におかしくなりました!!

本艦が水平に保てない他、ブーストが右と比較して確実に落ちています!」

リヴァルが焦り気味で目を走らせていく

そして大きく振り向いた

「こ、今度はより大きなエネルギー反応です!!」

クロードは歯を食いしばり、後方を確認しながらモニターをいじくる

「提督!前方に小惑星体が広がっています!」

レナはクロードの返答を待ちながら目をまたモニターに向ける

クロードは一度目を細めると、全員に指示を出す

「このままでは確実に落とされる!次の回避の後、最大旋速でシールドを展開し前方の小惑星体に突入する!

皆衝撃に耐えられるように!」

プリシスが慌てて叫ぶ

「小惑星体に突入してもカルナスが無事である保障がないよ!?」

クロードが頷く

「だが、ここで死ぬわけにはいかない!!」


ズガァアアン!!


小惑星体に突入するカルナス

シールドにとめどなくぶつかる小さな隕石

まるで剣の雨を盾で防いでいるかのよう

「提督!!後方のバンデーン艦が放った多数のビーム砲を回避お願いします!」

レナがクロードに向かって叫ぶ

操縦は提督席に委ねている

もはやバリアの制御と隕石の衝突の計算などで操縦や座標軸の固定どころではない

コクリと頷いたクロードは前方、後方の隕石や小惑星の位置を確認しながら操縦レバーを大きく動かしていく

F・カルナス事態は通常の戦艦より小型で小回りが効くタイプでもある

クロードの戦艦に関しての操縦はもはやトップクラス

回りの隕石や小惑星を巧みに使いながら避けていった




「どうなさいますか…ヴァルンティス様」

ヴァルンティスは少しだけだんまりとした後、モニターに背を向けた

「あの小惑星群に入ったのだ…

生きて帰っては来れまい

それに、追いかけてわざわざ私達が危険にさらされる理由がない」

「はっ」

一人のバンデーン兵が頭を下げると、ヴァルンティスは振り向いて叫ぶ

「これより、この区域から離脱し、新たな戦艦を追跡する!」

「はッ!」

バンデーン兵全てが頭を下げ、ヴァルンティスを見送る




「危機一髪だったねー」

プリシスがキーを叩きながら苦笑いする

「今もだろ?」

レオンが思わず突っ込みを入れる

レナとリヴァルは懸命にバリアの調整や数キロ範囲内の隕石や小惑星を調べ、クロードに報告している

クロードはそれを元に自らの操縦でそれらを出来る範囲で避けていく

「クロード凄いねー」

アシュトンがのん気につぶやく

ヴァンは暇そうにあくびをしている

「なぁ、今俺達ってまずい状況なのか?」

クロードは頷いて答える

「通常これ程の小惑星群に突入したらひとたまりもないんだよ

たまたまバリアの性能がいいんだ

レナ!バリアは後どれほど持ちそうだ?」

レナは頷いてキーを叩く

「この小惑星群から抜けるまでは持ちそうにありません

もって後10分です!」

クロードは舌打ちをした後に頭をひねる

瞳を閉じた時…

クロードの脳裏に父、ロニキスが浮かぶ

『もし…父さんだったらこんな時どうやってこの危機を逃れるだろうか…』

冷静に考えるクロード

陽電子砲を使って前方の障害物を一掃し、一気に突き抜けるという方法もある

だが…

今カルナスの全エネルギーはバリアに回っている

だとしたらカルナスがバリアを解除し、一気に突き抜けなければならない

例えるなら、剣を持つ軍勢を一時的に一直線に一掃し突き抜けると同じ

当たり前に危険極まりない行為

この方法は最終としてあげておく他ない

「………プリシス」

クロードは突然プリシスに呼びかける

慌てふためいてキーを押しているプリシスは振り向いて眉を潜める

「な、なに!?クロード!」

クロードは冷静な様子で叫ぶ

「すまないプリシス

無敵君に乗ってくれないか!」

プリシスは口をあんぐりと開けたまま固まった

「む、無敵君でどうするの!?」

クロードは頷く、そしてモニターをいじり始める

「今僕らは小惑星群のど真ん中

そして今バリアもそろそろもたない状況にある

そんな中で僕らはなんとしてでも抜け出さなくてはならない

しかし…今のカルナスだけではどうにもならないんだ

そこで無敵君にアースホープで小惑星群を吹っ飛ばしてもらいたい」

レナは何も言わずに聞き入っている

プリシスは少し考えると口を開く

「隕石やら小惑星を標的にアースホープを打てって事?」

クロードは頷くが、リヴァルが不安そうに手を上げる

「ですが…もし抜け出せたとしてもカルナスのましてや無敵君のエネルギー残量は0に近いものになります

大丈夫なのですか?」

クロードはこれを見てくれと言ってモニターに一つの惑星を映す

「元々カルナスは地球でエネルギーをそれほど補給していなかった

色々な理由があるわけだが、他の惑星で補給するように指示されている

それがこの星…惑星ハイダ

今一番近い惑星だ

そこで補給をする」

リヴァルはモニターを見ながら頷く

「綺麗な星だね」

アシュトンが横で呟く、クロードは頷く

「娯楽施設だからね」

プリシスがハイダに行くということで立ち上がる


「クロード!!ハイダで…何日遊んでいい!!!?」


プリシスが変な威圧感を出しながらクロードに迫る

「あ、遊ぶかどうかはあれだけど…;

カルナスの調整で一週間ぐらいはいるんじゃないかな?」

プリシスは目を輝かせて、アシュトンを見つめる

「アシュトン!あの星がいつか行こうって言ってた星だよ!!!」

アシュトンは立ち上がって驚く

「あの星が…!頑張らないと!!」

アシュトンは特に頑張る理由もなくガッツポーズをした

プリシスは凄い勢いで格納庫へ向かった

クロードはどこか苦笑いしながらレナを見やる

「に、任務中だから、やっぱり遊ぶべきじゃないよね?」

レナはにっこりと笑う

「遊びたい♪」


艦内が歓喜極まっている頃、プリシスがモニターに現れる

『無敵君発進するよー!!!』

リヴァルが格納庫の無敵君を出口まで誘導し発進させる

「イグニション!!!」

赤い炎とともに無敵君は飛び出し行った


『ハイダで遊ぶために!!!!』


そう言いながら無敵君はアポトロディウス戦で使ったアースホープを装着し、手でしっかりと構える

カルナスの上部にしっかりと足をセットされた無敵君は絶好調であった

『いくよぉお!!!』


『エナジーストーン出力最大!!!!

アースホープ!!!発射ぁあああ!!!!』


ズガァアアアアアアアアアン!!!!





エナジーストーンの力があふれ出し緑色に輝く無敵君

宇宙空間がほとんど緑色に色づけされていく

アポトロディウス戦ではシールドで遮断された中で放ったため、あまり被害はなかったが

今、絶好調に放ったアースホープは、数百キロに及ぶ範囲の隕石や小惑星を木っ端微塵に吹っ飛ばして行った


「こわ…」

ぼそりとクロードが呟く

艦内は危機を乗り越えられた事に喜んだ

そしてカルナスはハイダへ向かい全速全身するのであった




*こめんと*


ぴ、ピンチでしたー!

小惑星群に突っ込んでバンデーンから逃れるしかなかったカルナス

なんとかバンデーンに落とされる事は免れたが、今度はバリアが持たないという自体

カルナスだけではどうすることも出来なかった時、思い出す

プリシスがこっそり無敵君を積んでいた事に…

アースホープでなんとかきりぬけようと考えたクロードだが

あまりの破壊力に唖然とするだけだった

はてさてこの後はハイダでございます

SO3にも出てきたハイダでございますが、これが初代のハイダでございます(ナンダソレ

さて、任務遂行中に補給に立ち寄ったハイダで何が起こるのだろうか!!

バンデーンが攻めてきたら3の二の舞になってしまいますのでそんな事はしません!

存分に楽しんでもらいます(設定的に無責任


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