STAR OCEAN Sanctions of God







第五章 






第三部



---銀河連邦第一宇宙ステーション---


ウゥゥウウウウウウー…


数百もの人が走り、作業をしながらカルナス内ではレナとリヴァル、プリシスが座標軸を固定しながら発進準備を進める

カタパルトにしっかりと固定されたカルナスはゆっくりと前方部分が上がり始めた

作業員が次々に作業をこなしその場から去っていく


『第一パルス、F・カルナス発進準備完了』

「F・カルナス発進します!」


クロードが前方を見据え、叫ぶと同時にカルナスからケーブルと支えていたアタッチメントが外されていく

カタパルトはゆっくりと上昇して行き、一定の位置になり、前へゆっくりと加速をつけていった

『イグニション!』

その言葉とともにカルナスの巨大なブーストから高圧縮の空気と青白い炎が吹き出て行く

後ろでは全員が無事を祈りながら敬礼している

クロードは少し口を緩めると、レナに指示を出す

その頃にはすでにカルナスは地球圏を飛び出そうとしていた

「直ちにエデイフィスへの座標の設定

本艦が安定した空間に入ったとともにリモートコントロールに」

レナは何人分もの作業をこなしながら前方を見つめる

幾億もの星が輝いていた




「やっと落ち着いたー」

プリシスが大きく息を吐きながらでろーんと背もたれに寄りかかった

「お疲れ様プリシス」

レナが微笑みながら椅子を回転させ、後ろに向く

「提督、一定安定区域に入っています

到着まで推定200hです

プリシス達を休ませてよろしいですよね?」

クロードは落ち着いた様子で頷いて席で前方をひたすら見つめていた

「あぁ」

プリシスやレオンが少しぼーっとしながらクロードを見ている

クロードは首を傾ける

「どうかしたかな?」

レオンは目を細めるとリヴァルと席を交代する

「どうもです、レオン」

「ん、いいんだよ

いや、なんかレナとクロードが戦艦で宇宙に出るとこうも威圧感とか変わるんだなぁって」

レナは含み笑い、クロードは少し目をぱちくりとさせた後に笑った

「任務遂行中なんだ、しょうがないよ」

クロードが笑いながら腕を組んでいる

その横でアシュトンが唖然としていた

「僕にはさっぱりだよ…」

皆が機械をいじくっているのを見ながら頭をひねる

ある程度は理解しているつもりだが、戦艦程のものになるとチンプンカンプンであった

プリシスが少しリラックスをしながらの伸びをして、あることを思い出す

「あれ…オペラは?」

それにはレナが答えてくれる

「一度テトラジェネスに戻るって」

プリシスは少し頬を膨らましながら腕を組む

「お別れの言葉ぐらい言ってくれればいいのに」

レナは苦笑いをしながらモニターを見続ける

「オペラさんも結構急いでたみたいだし、クロードと私にしか言えなかったの

分かってあげて」

プリシスは頷きレオンを見つめた後にリヴァルを見やる

「いいなぁーリヴァル代わってもらってー」

横目で見られるアシュトンは目を反らしている

リヴァルは苦笑いしながらレオンと見つめあう

プリシスはため息をついてうなだれてしまった

「ぷ、プリシス…代わるよ」

おずおずとしながらアシュトンがプリシスの後ろで声をかける

プリシスはむすーっとした様子で顔を背けていた

クロードやレナは笑い、リヴァルとレオンはどうしていいものかと苦笑い

そこへ後ろから足音が

「おーい、俺暇なんだけど」

ヴァンが相当暇そうにブリッジへ入ってきた

クロードは苦笑しながらアシュトンをみやる

「ごめんアシュトン、奥に戦闘シュミレーターってのがあるから、ヴァンとそれで体でもほぐしてて」

アシュトンはヴァンを睨み付ける

未だに気を許せずにいる一方、ヴァンはにこやかな笑顔でアシュトンに近づいて手を引っ張る

「行こうぜ!お前とも勝負してみたかったんだ!」

どこかペースに流されながらヴァンはアシュトンを引っ張っていった

「それで…ギョロ、ウルルン?

分離できたわけだけど…

まだ僕達に付いて来てくれるのかい?」

いつのまにか後ろにいたギョロウルにクロードは平然とした様子で聞いてみる

ギョロウルは口を緩めて前方見つめた

「あぁ、仲間だからな

だがさすがに貴様らとここまで長くいると…

もう魔族としては生きていけそうにない」

苦笑するギョロウル、クロードは笑っている

「ッ…クロード…何か近づいてきていないか?」

ギョロウルが呟く

クロードに嫌な予感が走り

首を傾げながらもレナに呼びかける

「レナ、回りの状況に以上はないかい?」

常にモニターを見つめていたレナは首を横に振る

「いえ……

………

ッ!!!」

レナは何かを察知したのか高速でキーを打ちながら現在位置と回りの状況を確認した


「提督!!すぐ後方に突然熱感知が働いています!それと、相当な大きさのエネルギーを発見しました!」


クロードは目を見開き、大きく叫んだ


「まずい!総員配置につけ!!!すぐ現れるはずだ!!!!」


ズォオオオオオオオンッッ!!!!


突然カルナスが衝撃で大きく揺れ、モニターがかすむ

プリシス達が回りを見渡しながら焦り始めている

「提督!すぐ後方にカルナスを超える大きさの戦艦が現れました!!!」

「提督、後方のブースターに損傷出ています!」

レナ、リヴァルが報告をしながら次々と情報を読み込んでいった

クロードは歯を食いしばり、モニターを見つめていた

モニターを見る限り戦艦はゆうにカルナスの三倍程あるだろう





「くッ!何も起きないわけがないのか!!!

相手の戦艦のタイプは!」

「銀河連邦の物ではないと思われます!!タイプはX−19090に近いタイプです!」

レナが冷静に情報をクロードに伝えながら、横でリヴァル

プリシスがモニターを操作している

「敵の攻撃での着弾などはあるか!」

「いえ、ただ後ろにくっつくように着いてきています!」

リヴァルが叫ぶと、レオンがリヴァルの横から顔を出しモニターを見つめる

「まずい…くろー…

提督!!!!このカルナスハッキングされてます!!!!」

レオンが叫ぶ、クロードは苦い顔をして指示を出す

「まだ相手の考えが読めない!銀河連邦の船で無い限り油断はできない!!

そのまま後方に砲弾を撃てる準備とシールド、全出力を回す勢いでお願いする!」

全員が無言で頷くとアシュトンとヴァンがブリッジに飛び出してきた

「な、なんの騒ぎ!?」

アシュトンは焦っているようだが、ヴァンはどこか悔しがっている

「いいとこだったのによー!」

クロードがヴァンに詰め寄り、叫ぶ

「あれはマザー・エデイフィスが送り込んだ敵ではないな!?」

ヴァンはモニターを見つめ、相手の戦艦のあまりの大きさに少し驚きながら頷く

「あぁ…マザーは戦艦より生命体を作るタイプだ

それに…マザーの仲間だったら容赦なくやってくる筈だ」

クロードはそこで一安心した後、攻撃してこない戦艦に違和感を覚えた

「こちらからあっちの戦艦にモニターを繋げないか!?」

レナは首を横に振ると突然全てのモニターが消えて行った

「な、なんなのさー!」

プリシスがうなだれる


『………は……まして…銀河連邦の諸君』


クロードは突然の出来事に席を立ってモニターを見つめる

「だ、誰だ…」

モニターはやっとしっかりとした映像になり、クロード達を驚かせた

「人ですか…?」

リヴァルが呟く

「仮面?」

アシュトンが首をひねりながら呟く

そこに現れた種族

それはクロードにとって初めて見る種族ではなかった


『我々は…バンデーン、そして私はヴァルンティス…

銀河連邦の者なら少数知っているだろう?』


クロードは息を飲む

「反銀河連邦独裁国家…」

ヴァルンティスは少し関心したようにクロードを眺める

レナやリヴァル、プリシスは首を傾げていた

「何それ…?」

クロードは目を細めながら口を開く

「銀河連邦に所属しない種族の一つ

今の所、小さいながら他の反銀河連邦と手を組んで動いている

裏で色々あって存在自体は銀河連邦ではまだ極秘でしか知られていない」

ヴァルンティスは薄ら笑い、話始める

『いかにも…我々は銀河連邦などくだらないお遊戯に参加するほど馬鹿じゃない

だから少数ながらも我々は我々らしく生きてきた

そして今まさに我々は力を伸ばすため…!

無限の『力』を手に入れようとしてるのだ

それを手に入れるために情報を銀河連邦の戦艦からジャックしている』

クロードは悪い汗をかきながら、口元を緩める

「銀河連邦にそんな事話していいのですかね?」

ヴァルンティスは硬い骨格ながら見下ろすように笑う


『大丈夫だ…君達は用済み…これから…

死ぬのだから!!!』


「ま、まずい!!防御シールド展開!!!

隙を見計らって最大加速!!」

既に準備していた防御シールドを展開し、攻撃に備える

ヴァルンティスが奇妙に笑いながらモニターは消えて行った


ズガァアアアアアン!!!!


予測通りの通常キャノン

至近距離まで近づいていたバンデーン艦は流石に威力のある物を撃てずにいる

だが…

距離を取った途端に打つ可能性がある

「最大加速!!!敵はお見通しの筈だ!!だがまずなんとか切り抜けよう!!」

「了解!」


ズオォオオオオオンッ!!!!


レナ、リヴァルにプリシス、そしてレオンさえもモニターを見つめ、軌道確保やエネルギー残量

後方確認など様々にこなして行った

クロードはやはりどこか焦りながらも後方のバンデーン艦を気にしていた

「や、やっぱり動かない…

ッ…!!!まずい!!!」

プリシスが叫ぶ

「ま、まずいよ!!!バンデーン艦、意味分かんない主砲発射しようとしてる!!!」

艦内が慌しくなる

「プリシス避けきれるか!?」

クロードが少し冷静になりながら指揮を取る

狙いを定めているのであればもう今から避けても間に合うか間に合わないかだ

「撃ってきた!!!艦体右斜め後方にお願いします!!!!」

「はい!!!」


ズガァァアアアアアアアアアンッ!!!!







*こめんと*


いきなりSFですね!!

この時代にも少数ながらも存在したバンデーンの方々

いきなりカルナスにジャックし、その『力』というものを探しているらしい

でもないからおさらばだ

そんな感じで

え、SFっぽーい!(ウルサイ

とにかくカルナスは皆の力で動かします!!

頑張ってね!!(無責任

back