STAR OCEAN Sanctions of God







第五章 






第一部



数週間後---


---銀河連邦 地球中央軍事最高司令塔---



「任務完了おめでとうケニー少佐」

ギルバート議長からの直々の言葉に頭を深く下げるクロード

一人の軍人がため息をついて発言する

「もう少し被害をなくす事はできなかったのかね?

ほとんど街が壊滅状態じゃないか…」

クロードはまた深々と頭を下げる

「申し訳ありません

最後にアースホープを使ってしまったせいです」

ホール内がざわめく

「まずアースホープを打つメカバインすら地下に封印しておいた筈では?」

「まぁ、アレを使ったんでは被害がこうなったのは理解が出来るな」

「だが、報告書ではケニー少佐が乗っているメカバインは破壊されたと書いてあるが?」

クロードは無表情で立っている

「ケニー少佐?

誰が無敵く…

ごほんっ…メカバインを使っていいと許可したのかね?

それに自らので力でやると言っておきながら仲間の力を借りたそうじゃないか」

クロードは黙ってうつむく

そこでギルバート議長が口を開く

「全て私が許可した」

またホール内がざわめく

「また七光りもいいとこだな…」

「議長も甘すぎなのだ…」

「一人でやると言ってなかったか?ケニー少佐以外に研究班の方々がいたと聞く」

議長は一度瞳を閉じて、静まるのを待った

「ケニー少佐

報告書に偽りは無いな?」

クロードは首を横に振る

「いいえ

一部間違っております」

数人の軍人が立ち上がって眉を潜める

「嘘の報告をしているというのか!?」

「何を考えているんだ!!!」

「お静かに」

議長が静めると、一人の軍人が手を組んだまま口を開く

「この報告書には

ケニー少佐が自らアポトロディウス

そしてリヴァル、ヴァンを殲滅したと言う風に書いてあるように思えるのだが?

どこが偽っているのだ?

まさか被害額を減額しているなどはないだろうな?」

クロードは首を横に振り

横に視線を向けた

ツカツカと言いながら照明に当たる二人

緊張した面持ちでいるプリシスとレオン

「…?…確かケニー少佐の補助はレナ・ランフォードだけだったはずだが?」

ケニー頷いて二人を紹介する

二人は敬礼し、口を開く

「銀河連邦第一研究部機械科SクラスB班研究部員 プリシス・F・ノイマンです」

「銀河連邦第一研究部紋章術SクラスE班研究部員 レオン・DS・ゲーステです」

二人の紹介が終わる前にホール内は騒がしくなっていた

「その二人は避難していることになっているぞ!?

どういうことだ!説明してもらおうか!ケニー少佐!」

クロードは頷く

「はい、事実と致しましては

レナ・ランフォードだけではオペレート、

そして私の場合は一体を相手にするのが限界でした

だからというのは大変厚かましいのですが

二人の力を借りました

それにつきましては処分のほうは覚悟しております」

質問をした軍人は鼻で笑い、座り込む

「一人でやるといったのだから最後までやればいいではないか!」

クロードは頭を下げるしかなかった

議長はそのクロードを見て笑みを浮かべる

「ケニー少佐は素晴らしいと思わんかね?

確かに報告書の偽りや、相当な被害

色々と処分を受けなくてはならないのだが

それを覚悟にたった数人でこの任務をこなしたのだ」

また一人の軍人が手を上げる

「私は確かにその人数であの化け物と驚異的な生命体

そして魔物を相手にしたのは大変誇れるものと考える

ケニー少佐はよくやっと思う」

それの言葉に怒り始める軍人も少なくは無い

「銀河連邦内の時点で急がなくてはならない事が沢山あるというのに!

ケニー少佐でなく、私だったらもっと被害なく終わらせる事ができました!」

議長がため息を付いてその軍人を見据える

「君の場合は多額の軍事金を用いて弾を使いたいだけ使い

無駄なエネルギー

そして高みの見物をしているのだろう?

君は死ぬ覚悟でメカバインに乗り、前線で戦えるというのかね?

それにケニー少佐は生身でも戦っているのだぞ?」

その軍人は黙り込んでしまった

「ケニー少佐

これで報告は終わりということでいいかね?」

クロードは頷き、頭を下げる



午後---



「では、続いては処分のほうにいきたいと思う

議論の結果

今日までの処分としては、街の被害があまりにも大きすぎたという点で今年度の給料から差し引かせてもらう

そして他の被害の報告書を全て提出してもらう予定だ

だが、それだけで済めばよかったのだが…

ケニー少佐は偽りの報告書の提出

そしてアースホープの無断使用

そしてシールド及び、避難用のプログラムの無断アクセス

それを含めた中で検討した結果」

静まり返るホール内

議長は一息つくと叫ぶ


地球から追放だ


「ッ……はい…」

覚悟はしていたものの、クロードは少し青ざめた表情で頷き、敬礼する

プリシスとレオンもどうしようもない表情でいた

「だが…特別任務を遂行できた場合

それを取り消しとする」

クロードは顔を上げ戸惑いながら頷く

議長は笑みを浮かべる


「アポトロディウスや他の生命体を送り込んだ元を絶やさなくては

また地球があのような事になるか分からない!

よって、未開惑星エディフィスでの調査及び、元凶の抹消を命じる!

出来ない場合、戻ってこなくてよい!」


クロードは唖然とした状態で聞き入っている

「もちろんこちらで決めさせてもらう部分もある

戦艦は「F・カルナス」

ケニー少佐

君はその戦艦の提督をやりたまえ

他乗組員は君が選ぶがいい!」

クロードは笑みを浮かべ、敬礼する

「了解致しました!」

プリシスとレオンは顔を見合わせ、クロードと同じく敬礼した







「良かったねクロードー!議長があんなに優しい人だとは思わなかったよー」

プリシスが手を後ろに組んでニコニコと笑っていた

だが、クロードは苦笑いして返す

レオンはプリシスに馬鹿にしたような笑い方で見据える

「確かに僕達はエディフィスへ行くための戦艦と許可はもらったけど

結局は旅立ってしまったら任務を遂行しない限り地球から追放されたままって事だし

それに僕やプリシスがぶっ壊した建物や道路の被害報告書は全部クロードが書くんだからね?」

プリシスは口を開けたまま笑っていた

「ごめんクロード…」

クロードは微笑みながら手を横に振る

「いいんだよ

プリシス達は地球のために必死に戦ったんだ

それに、僕だけじゃどうにもならなかったからね」

プリシスは少しうつむきがちに頬を膨らます

「クロード格好良すぎだよ!」

そう言って前方を見るプリシス

ロビーで座り込んでいるオペラとアシュトンが話しているを見つけるとなんだかまた頬を膨らまして駆け足で走っていった

「な、なにアシュトンでれでれしてるのさー!!」

アシュトンは??な状態で頭を傾げている

オペラはそれに気が付いてアシュトンの腕にしがみ付く

「格好いいわアシュトン」

アシュトンは苦笑いで返すとプリシスを見やる

「アシュトンのばかぁ!!!」

ぽかぽかアシュトンをなぐるプリシス

アシュトンは困った表情で、オペラは笑っている

レオンはリヴァルを見つけて微笑んでみせていた

クロードは笑みを浮かべながらも皆の輪の中に入る




「改めて、皆には本当に感謝するよ」

クロードはエクスペルチームそしてレオンとリヴァルに頭を下げた

「あは、感謝されちゃったー」

プリシスは笑い

「そんないいよー」

アシュトンは頭をかきながら遠慮がち

「当たり前の事をしたまでだよ」

レオンは誇らしげに語る

「お役に立てて良かったです」

リヴァルは控えめに

「後で良いお酒が欲しいわ」

オペラはなんだか微笑みながら

「…」

ギョロウルは黙ったまま笑みを浮かべている

「…レナ…」

本来居るはずのレナがいない

クロードは皆の顔をそれぞれ見た後にため息をつき、うつむいた

「クロード…レナの様態は?」

プリシスがおずおずと聞いてみる

クロードは少し笑顔を見せて顔を上げる

「様態は順調なんだ…

ただ…

僕が守ることが…出来なかったことが…

悔しくてッ…」

皆静まり返った

クロードのレナへの気持ちは皆が知っている

そんな中プリシスが笑顔になってクロードの肩を叩く

「過ぎたことだよクロード

レナは助かってるんだから笑顔でいなくちゃ!」



クロードはプリシスの言葉で笑顔になって頷いた


*こめんと*


なんと言うか…

銀河連邦の議会

もうちょっと現実的にあーだこーだ入れてみたかったんですがやめました

実際はこういう議論と報告は一週間ぐらいかけるのでは?という感じかもしれませんが

いつになっても話進まないので!!

議長が大変お優しいというかなんというか

やってくれますね!

処分で戦艦を貸してくれるってどういう処分なんですか!

その分の地球追放ですね…

議長もお人が悪い

そしてクロード君からのお礼

皆頑張りましたからね!

ですが、これからが…

戦いの始まりなのです…(無責任←設定が?


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