STAR OCEAN Sanctions of God







第四章 






第五部


ズガァァァアンッッ!!!!


「きゃぁああ!!!」

油断しきった無人君は背後からの攻撃に防御することもできずに地面に突っ込んだ

アポトロディウスは体中から煙をあげながらも無人君目掛けて突進し、曲線のボディーをへこませていく

「うそぉー;こんな強いとは思ってなかったよー;」

プリシスが半泣きで必死に起き上がり、状況を確認する

「両腕ないし、エナジーストーンの出力もほとんどないよぉー!」

そんな中アポトロディウスは容赦なく無人君の足を吹っ飛ばした

「きゃぁあ!」

バランスを崩した無人君はそのまま建物ごと崩れ落ちた

「ま、まずい!脱出しなくちゃ!!…ッ!!!」

速攻で脱出ボタンを押すが…

「こ、壊れちゃったー!!;」

全く反応を見せない脱出ボタン

連打しても叩いても反応しない

最早プリシスは冷静さを失ってあたふたしていた

それを放っておくはずがないアポトロディス

羽を羽ばたかせ、上空に舞い上がる

そして口に炎を含み、炎を吐き出そうとした時

目の前に誰かが現れた気がした


ズガァァァアンッッ!!!!


「…あれ?」

頭を抱えるプリシスは何も起こってないことに頭をひねらせた

そしてモニターを見つめる

「双頭竜??ギョロ?ウルルン?」





プリシスの前に立ちはだかる巨大な二対の頭を持つ竜

大きさはアポトロディウスとそう変わらない

プリシスは安堵の笑みを浮かべた後、操縦席から飛び出し、ギョロとウルルンを見上げる

「ありがとう!!ギョロ!ウルルン!!」

双頭竜は少しだけこちらに顔を向けて口元を緩めた

『この状態でいるのには限界がある、頼むぞプリシス』

限界、双頭竜はだんだんと疲労が重なっていくのを感じるのだった

プリシスは大きく頷いてある場所へ駆け出す


『さて…なぜこの姿に戻れたかは分からないが…

仲間に手を出すのなら容赦はせん』

「グガァァァァァアアア!!!!」

アポトロディスは吼え叫び

双頭竜は負けず劣らず唸った

ぶつかり合う牙と牙

はたから見れば怪獣大決戦あたりの特撮物になりそうな勢いだ

双頭竜はしっかりと地面を踏みしめ、口から淡い炎と冷気を込める

『グガァァアアア!!!!』


ズオォオオオオッッ!!!!


冷気と炎はアポトロディウスに直撃、苦痛そうに唸り、双頭竜に突進してきた


ズカァァアンッッ!!!!


崩れる建物と双頭竜

一固体のアポトロディスに比べ、二つに分かれている双頭竜にとっては力がうまくまとまらなかった

それ故体当たりでは怯んで後ろに吹っ飛ばされるしかない

だが、それでめげる筈がなく、双頭竜は前足を思いっきり上げ


ズガァァアンッッ!!!!


アポトロディウスの顔面を体重で踏み潰した

前のめりに地面に伏せるアポトロディス

双頭竜はそのまま二対の羽にかぶりついた

「グギャァァア!!!」

ミチミチと言いながら引きちぎれていく羽

アポトロディウスは興奮気味で双頭竜を投げ払った

『ぐぅう!!』

前足を跳ね除けられたため、双頭竜はバランスを崩して背中から地面に突っ込んだ

興奮気味のアポトロディウスはそのままもう一度突進した

「グガァアアアアアア!!!!!!」


ズガァァアンッッ!!!!


建物を壊しながら転げる双頭竜

相当なダメージを受けたのか、よろめきながら立つが、しっかりと視線が合っていなかった

「ガァァアアアアアアッッ!!!!!!!」

アポトロディスはよろめいている双頭竜にもう一度突進し、両腕で双頭竜の首を引っつかんだ

『ぐがぁああ…!!!!』

鋭い爪は双頭竜の首に食い込み、血を滴らせた

「オォオオオオオン!!!!!」

じたばたする双頭竜にのしかかるアポトロディウス

アポトロディウスは何度も何度も双頭竜を殴り飛ばし、唸った

『ここで…負けるわけには…!!!プリシスが来るまでは!!!』

だが、首を掴まれ、身動きの取れない状態で双頭竜は暴れるしかなかった

「グガガガガガァ!!!!」


ゴオォオオオオオオオオンッッ!!!!!!


その状態での直接的な火炎放射が双頭竜に直撃した





「わっとっと!!!」

地響きでこけ損ねるプリシス

ハッと気が付き後ろを振り向く

「ギョロ!!!ウルルーン!!!」

双頭竜は押し倒されていた、だが、足を止めるわけにはいかなかった

「待っててね!!!」

走るプリシス

向かう先は…

地下19階格納庫…






「レナァァアアアアアッッ!!!!!!!」


クロードがかけつけた頃、ちょうどレナが今まさにやられそうになっているところであった

血を噴出して痙攣しているレナを見てクロードは怒りを抑えずにはいられなかった

「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」

低姿勢で一気に突っ込むクロード、剣を抜き、ヴァルに高速で振り上げた


キィィインッッ!!!!!!!


がっちりと防御するヴァン、だが勢い負けして少し後ろによろけた

「よくもぉおおお!!!!」

舌打ちをするヴァン、クロードは手加減などしなかった

次は斬撃で来ると思ったヴァンは刀で防御しようとするが

ズガン!

クロードはがら空きであった腹を思いっきり蹴られ、その拍子に地面に背中を打ちつけ、痛がる間に

ドガン!!

横腹を相当な勢いで蹴り飛ばしたクロード

転がるヴァンは起き上がると同時に攻撃を仕掛けようとするのだが…


「空破斬ッ!!」


至近距離での空を描く斬撃、回転しながらヴァンは風に切り刻まれていく

「ぐぁああ!!」

クロードは休むことなく剣を振り上げる

ズガン!!

ヴァンは転がって何とか避けるが、クロードはなんの躊躇もなく外した地面からヴァンに向かって剣を振り上げた

「ぐぁ!!」

その斬撃はヴァンの右腕を裂いた

もがくヴァンは起きても反撃されるのを見越し、その状態で様子を伺った

だが

ドス!!!

「ぐぁ」

気が付くと、クロードは剣をヴァンの腹に突き刺していた

「よくもぉお!!!」

グリ!!

クロードは剣を腹に突き立てままより食い込ませていく

ヴァンは血を吐き出しながら歯を食いしばっていた

「すまないな

ちと…興奮状態でな…あんな風にするつもりは…」

ザシュ!!!

「戯れごとなんか聞くかぁあああ!!!!」

クロードは容赦なく腹を裂いた





「抜け」

アシュトンはリヴァルを睨み付ける

「これですか?」

ぐり!

「あぅ…」

未だにレナの背中に剣を突き刺しているリヴァル

挑発するように剣でえぐるようにして見せる

「ほら、可愛い声だすでしょ?」

「ぅ…」

冷笑するリヴァル

えぐっては喘ぐレナを見ては楽しんでいた

「やめろやめろやめろぉおお!!!!!」

震えながら叫ぶアシュトン

歯をぎりぎりとさせ、荒い息で剣を握り締める

「あら、怒ってるんですか?」

挑発するような笑い方、アシュトンが何かするとリヴァルはレナに何をするか分からない

アシュトンは動くに動けなかった

だが、今のレナの状態は命に本当に関わるヤバイ状態

アシュトンは焦りと、怒りでいっぱいになっていた

「ほらほら…見てるだけでいいのですか?もっとえぐって楽しんじゃいますよ?」

ぐり!

「あぁ…」

レナの瞳は既に光がなく、意識がない状態である

それで剣を貫通させている

このままではレナの命はそう長くない

出血多量か、心拍停止

「くそ…!!」

アシュトンは唇を噛み締める


チューン!!!


「くぁ!!!」

後ろから飛んできた何か

気が付くとリヴァルの右肩が吹っ飛んでいた

反動でリヴァルは倒れかけている

離されたレナは前のめりに倒れそうになっていた

「レナ!!!」

アシュトンは凄い勢いで走り、レナを抱きとめる

そして後ろに素早く下がった

「ちぃ…!プリシス!!!」

アシュトンは後ろを振り向く、そこにはフェイズガンを構えた状態のプリシスがいた

「か、肩を吹き飛ばす気はなかったんだけど…!!」

プリシスは驚いた表情をしていた

アシュトンはどこか笑いながらもレナをプリシスに任せる

「ごめん、プリシス…行ってくれ」

プリシスは頷くと、レナを肩に抱え、走り出した

「れ、レナかるーい…;」

血がなくなったせいなのか、元々なのかは分からないが、プリシスは軽々と持って走っていった

「ぅうううう!!よく見るとレナまずい状態じゃなーい!!!」



アシュトンは剣を握り締め、構える

「あの時のようにはいかない…」

リヴァルは玩具を取り上げられて面白くなさそうに剣を片手で持つ

「あなたの事好きじゃないです」

「僕もだ」






*こめんと*


今度はプリシスがピンチかよー!

そこで助けてくれる双頭竜、ギョロ&ウルルン

分離したかそんな事もできるの!?

本当の元の姿に戻っちゃいました!

ぶつかり合う二対の珍獣(コラ

でもやっぱりアポトロディスのほうが一枚上手だったー!

そして走り出すプリシス!

レナがめちゃめちゃにされているのを見て切れるクロード!!

あは、こわー!!

そしてそろそろ変な野郎に成り果てたリヴァル

レナになにしとんじゃー!

奪い返したレナをプリシスに預けたアシュトンは構えた

やっちまいなさい!

と、今回はなんだか

んー、まぁ皆頑張って(無責任


back