STAR OCEAN Sanctions of God







第四章 






第四部


「くぅ…」

モニターがバチバチと火花を立て、妙に静まり返ったカルナスノヴァの操縦席

クロードは頭から血を流しながらも虚ろな瞳で上を見上げていた

「生きて…るんだ」

やっと意識が鮮明になり、立ち上がるクロード

ふら付きながらもでこぼこの出口を見てため息をつく

通常の操縦席よりきっと半壊しているためか、狭く歪な事になっていた

当たり前に出口がぐちゃぐちゃになっていて素手では開けられない

「一か八か…」

ゼロ距離発砲は禁止されているが、こうしている間にアポトロディウスが街を

破壊していると思うと実行せずにはいられなかった


ズガァァアンッ!!!


フェイズガンの衝撃でクロードは後ろに吹っ飛ぶが、なんとか出口に穴が開き、そこから脱出が出来た

「…あれは…」

外を見てクロードは目を見開いて驚いた





「無人君…」

そう、目の前の光景

アポトロディウスと対立に立ち、構えに入っている無人君がいた

『やっほー!!!クロード!!遅くなってごめんねー!!』

大音響で響く声

きっと踏み潰された際に助けてくれたのはプリシスだろう

気が付けばアシュトンが操縦席の外からクロードを見つけて微笑んで立っていた

「来て…くれたんだ」

アシュトンは大きく頷いて手をクロードに差し出す

「当たり前だよ、ほら」

アシュトンの手を取り、外に出るクロード

下に降りて無人君を見つめて叫んだ

「ごめんプリシス!!任せた!!」

無人君は頷き、拳をよりギュッと握る

『まっかせといて!!!』

クロードは無人君に背を向け、走り出す

「クロード、どこへ?」

アシュトンがすかさず聞いてくるが、振り向いている暇はない

「地上にもあと二人いるはずなんだ!」

アシュトンは驚いた表情でクロードを追っていく

「そ、そんな強いの?」

クロードは目を細めて頷く、そして空を見上げる

「何か…嫌な予感がするんだ」

アシュトンはそれ以上は口を開けず、ひたすらクロードの後を追って行った





「きゃぁあ!!!」

レナの手から血しぶきがあがり、よろめきながら傷をハンカチで手馴れた様子で巻いていく

興奮状態でおかしくなっているヴァンはレナに向かって力任せに刀を振っていた

それにどんどんと追い込まれていくレナ

浅い傷が増えていく中、レナはとっさに思い出し、腰から治療用ナイフを取り出した

「それで…何ができるってんだぁ!?」


ズキャァァン!!!


ヴァンの力があまりにも恐ろしく、刀を防ぎきれずにナイフを握る

じわじわと肩に食い込んでいく刀

意識が飛びそうな程の痛みに、レナは足が振るえ、どうしようもない状態であった

そこへ


ドスッ!!


レナの背中から腹を抜ける剣

その剣を持って冷笑するリヴァルがそこにいた

「生意気にも、よくもやってくれましたね?」

「あぐぅ…!」

一気に力が抜け、レナはその場で腰を崩した

その途端


ズバァッ!!


力が抜けたレナはそのままヴァンの刀に右腕を落とされる勢いで切り込まれた

「うぁぁぁっぁああああ!!!!ッ…!!!」

右腕はまるで人形の腕のように動かなくなり、大量の血が肩から吹き出た

「浅かったか…次は首で楽にしてやる!!!」

リヴァルが剣を後ろからゆっくりねじり込み、ヴァンがレナの首を持ってニタリと笑った

「ぁぐ…」

レナは既に意識がない様で、口から血を吐き出しながら痙攣していた

「死ね…」





「よーし!!!!がんばっちゃうよー!と…意気込んでみたものの…」

プリシスはアポトロディウスを見ながら苦笑していた

あまりのでかさと、威圧感、そして破壊力

勇者君(カルナスノヴァ)は相当丈夫に作ったはずなのだが、ほとんど壊れてガラクタ同然の形になっていた

「自信作があんなになった相手を…

寄せ集めで作った無人君で勝てるかなぁ…」

相当落ち込みだして、恐怖感が芽生え始めた

「あっちも様子を伺ってるのかな…

うー、こわ…悪魔だよあれ…」

アポトロディスは以前動かずに無人君を見つめ続けていた

その表情は獲物を見ながら伺っている獣

だが、やはりそこには何か考えがあるようだった

「ただ暴れるだけが本能だけじゃないみたいだね…」

無人君がジリジリと動きながら間合いを詰めていく

『プリシス…援護はするけど、本当に大丈夫なの?』

オペラの声が操縦席に響く、彼女は今上空で援護のために伺ってくれている

「多分大丈夫…」

結構小さい声で言ってることに気付いたプリシスはため息をついて操縦レバーを握る

オペラも一緒にため息をついていたようだった

『はぁ…私のもほとんど移動用だからそんなに援護は期待しないでもらいたんだけどね…』

オペラまで弱気になっているのに膝を抱えたくなるプリシス

だが、クロードに任せられたんだ

そう思うと少し元気が出た

「んじゃ、先手必勝!!!」

ガクガクと動きながらもガッシャンガッシャンとアポトロディスへ向かっていく

それに反応し、アポトロディウスはゆっくりと手を動かす

「うおぉりゃぁ!!!」

『全ミサイル発射!!!』


ズガァンッ!!!


無人君の勢いをつけての振りかぶりストレートパンチ

そしてオペラでの援護攻撃

アポトロディスは腹部に違和感を感じながら、唸り声をあげる

「ぇ、マジ…」

『主役が喰らわないのに私の攻撃が喰らうわけないじゃない…』

オペラは呆れ、プリシスはノーダメージのアポトロディスにあんぐりと口を開けながら

もう一方の拳を下からえぐるようにアポトロディスの顎をぶん殴った

が


「グガァアアアアアアッッ!!!!!!!!」


少しひるませた程度で、怒りを勝ってしまったらしく、大きく波動のような音波を放っていた

「うぐぐぐぅ…耳がおかしくなる…!!!

!……やばッ!」

『ちょ、ちょっと操縦利かない!

も、もう終わりー…?』


ズガァンッッ!!!


大きく吹っ飛ぶ無人君、建物をぶっ壊していきながら背中から突っ込んでいった

オペラはどこかに不時着したようだ

「うぐぐ…何あの化け物ぉ…

オペラ無理言ってごめんねぇ…」

『いいのいいの…』

瓦礫を払いのけながら立ち上がる無人君

砂埃が舞う中、プリシスは舌打ちをして操縦レバーを素早く動かす


ズゴォオオオオオオッッ!!!


プリシスは次の攻撃を予測しいたようになんとかアポトロディウスの火炎放射を避けた

結構無理やりな回避だったため、左肩からまた建物に突っ込んでいく

「ぅー、でもやるしかない!

はぁぁぁあああ!!!!!」

次の攻撃が来る前に素早く起き上がると無人君の右手から轟音が唸る

右手が高速で回転し、光を発していた


「スパイラルゥウウッ!!!パァアアンチッッ!!!!」

ズガァァァァァンッッ!!!!!!!


高速で回転する右腕はそのまま豪速でアポトロディスの腹部を直撃、物凄い音を立てながらパンチがめり込んで行く

「ちぃ!貫通しないか!!」

プリシスは悔しそうにしながらも少しの手ごたえを感じていた

「もう一発ぅ!!!!」


ズガァァァァァンッッ!!!!!!!


アポトロディウスがもう一発を放っておく筈がなく、尻尾で弾き飛ばした

「う、うそぉお!!!?」

プリシスが度肝を抜かれながら、気が付く

「りょ、両腕ないぃい!!!」


ズガァンッッ!!!!!!!


その頃には遅く、左手を弾き飛ばした尻尾が今度は垂直に無人君を直撃

両腕がないため防ぎようがなく、何度も叩かれる度に無人君の体がでこぼこになり、煙を噴き上げていた

「このままじゃ…!

ぅー…こんな早く最終手段を使うことになるとは…」

プリシスは煙を噴出し始める操縦席でむせながら操縦レバーをおっもいっきり引いた


「エナジーストーン出力ぅ!!ぜんかぁああい!!!!」

ズォォオオオオオオオオン!!!!


無人君から眩い光があふれ出し、空を緑色に染めた

「無人君の本気の力ぁ!!!その目に焼きつけろぉお!!!!」

無人君の胸から大きなパラボラアンテナが飛び出し、緑色の高エネルギー体をぶっ放した


「エナジぃいッ!!バスタぁぁああッ!!」

ズガァァアアアアアンッッ!!!!


全てのエネルギーを注ぎ込み、覆い尽くすほどの高エネルギー体はアポトロディスに直撃した

「やったぁあ!自爆しないの初めてッ!!!」

プリシスのこの技の経験上

自爆が普通なのであった

上機嫌で盛り上がるプリシス

ジャンプをして喜びに浸った

「んじゃ、クロード達を助けに行きますか!!!」

プリシスはハッと気が付く

アポトロディスの気配に…



「グゥゥォオオオオオオオオオオオンッッ!!」





*こめんと*


やっとプリシス達が来てくれました!!!!

瀕死状態のクロードをプリシスが無人君で立ち向かう!!

タイミングがいいのはご愛嬌です!

そしてクロードがやっとレナたちの元へ!

レナは肩を裂かれて後ろから剣でえぐられる

そして痙攣してます

ぐぁ!

やばいって!早く向かってぇえ!

自分で書きながらお恥ずかしいのですが、役にやっぱりなりきらないといいのは出来ませんからね!

そして無人君

寄せ集めにしてはカルナスノヴァよりいい仕事してますね!

というかカルナスノヴァにも必殺技つけてあげればよかったのに!(すいません

と、おもいっきし巨大対決しながら街を壊す!

何やってんだ!

そして、打っちゃいけないのを打ってしまったわけで

街を破壊するつもりなんですよ、プリ子

それでも…アポトロディウスはご健在

あぁー!適当に皆頑張って!!(無責任



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