STAR OCEAN Sanctions of God







第四章 






第三部




建物から煙が吹き出て、ガラスがバリバリと割れていく

そこからレオンがゆらゆらとしながら出てきた

「ほぅ、何の真似だ?」

ヴァンは再び刀を抜き、構える

レオンの髪は逆立ち、瞳はまるで獲物を見るような瞳で見つめ、

手をぶるぶると震わせながらクロスさせる

そしてどす黒い長く、大きな爪を空に振るわせる

先程落ちたリヴァがふらふらとしながらレオンの元へ近づく

「レオン…大丈夫…ですか…」

そう言ってレオンの一歩手前で意識が遠のき、前のめりに倒れていく

「…リヴァル」

レオンは右腕でリヴァを抱え、胸を貫く二本の剣を見て口を歪めた


「う、うぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああッッ!!!!!!」


大きく空に向かい声を張り上げると、心を落ち着かせ、取り合えずリヴァルを地面に安置すると

「!!!!」


ズガガガガガガァッッ!!!!!!!


ヴァンが気が付いた頃には腹部を含む計何十箇所も切り裂かれ、殴られていた

「なッ!」

そうこうしている間にレオンはギラギラと光る瞳でヴァンの顔を捉え、そのままの素手で顔面をぶん殴った

「うごぉほぉ!!」


ズガガガガガガァッッ!!!!!!!


ヴァンはそのパンチを避けられず、勢いで地面を削りながら建物に突っ込んだ

「…レオン…?」

リヴァは圧倒的な力と威圧感に震える他なかった

まず、目の前にいるのがレオンなのか分からず問うほどに…

レオンは全く聞こえていないのか荒い息を吐きながらヴァンが突っ込んだ建物を見つめた

「おぃおぃ…聞いてないぜ…?

なんだよその馬鹿力…」


ズガァッッ!!!!!!!


そう言って起き上がる頃には顔がレオンに掴まれ、そのまま地面に叩きつけられた

「ぐへぇあ!」

ぽたぽたと口から血を垂れ流し、荒い息を付きながら髪を掴んで顔を起こさせる、レオンを睨んだ

「……」

レオンの瞳を見つめたヴァンはそっと目を反らした

その瞳は獲物を今から殺すような、そんな透き通った人ではありえない瞳

例えるなら獅子

「へ…何勝った気になるってんだよ…

これからな…」


ズガァンッッ!!!!!!!


そう言うと同時にまた地面にヴァンの頭を叩きつけられるレオン

「ぐへぁ…」

ヴァンは歯を食いしばると油断していた分の力でレオンを吹っ飛ばした

「ふぅ…それがお前の本気って訳だな?」

レオンは何も言わずに構えに入る

「おもしれぇよ…俺もさっき以上の本気でやってやるぜ」

ヴァンが刀をしまい、レオンと一緒に構える

「まず、教えろよ

どこにそんな力があったんだ?」

レオンは答える気がなさそうだが、ゆっくり口を開く

「僕の種族はフェルプール

ネコ科の血が流れている

そしてその種類も心の強さで変わる

そう…今、僕は獅子」

ヴァンは何を言っているか分からずにつまらなそうにほうほうと答える

「まぁ、いい!!!おらぁ!!いくぜぇ!!!」


ズウゥゥゥンッッ!!!!!!!


拳と拳がぶつかり、周りの建物のガラスが一斉に叩き割れる程の波動

約互角に吹っ飛び、体制を立て直すし、突っ込む

ヴァンが凄い勢いでレオンの腹に向けて中断蹴りをかまそうと振り回すが、さっと飛び上がられ

それを見たヴァンはその空中上にいるレオン目掛けて刀を振るう

空中で体を捻り避けるレオン

すぐさま体制を変え、爪をむき出しの状態でヴァンの背中に飛び掛かる


ガキャァンッ!!!!


ギリギリと言いながら交わる爪と刀、再び何度も何度も打ち合いを始める

あまりに強固で鋭い爪は刀を一回点引っかいて切り落とした

「ちぃ…!やるじゃねぇか!よ!」

痛恨の一発のはずが、ヴァンが拳を振った場所にレオンの姿はなく、気が付く頃には遅かった

ずがぁん!

鈍い音と共に顎からアッパーを喰らわせられ、怯んだところで喉に向かって爪を振るう

とっさに避けてかすっただけで済むが、ヴァンは冷や汗をかかずにはいられなかった

「うらぁ!」

そのままの状態で頭を振り上げ、レオンの顔に頭突きを食らわすと、ひるんだレオンの顔を掴んで上空に放り投げた

「無駄だぁ!!!」

レオンが大きく叫び、右手に獅子を宿らせた

大きく後ろに振り上げると自分の全ての闘気を右手に集結させる


「獅子王ッ!!!覇王拳ッッ!!!!」





ズッガァァァアアァァァンッッ!!!!!!!!!!!



地面にミサイルでも叩き込んだかのようなレオンの溢れんばかりの闘気

周りを一瞬にして粉々にし、轟音を響かせた

「はぁ…はぁ…」

荒い息をたてながらレオンは地上に降り立つと共に倒れ込んだ


「レオ…ン」

リヴァがうつぶせの状態でレオンに手をふるふると伸ばすが…

「まだくたばっていなかったのですか?」

リヴァルがニヤリと笑い、刺さったままの剣を掴み、グリグリねじ込んだ

「ぐ、ぐがぁ…!!!」

面白がるようにリヴァルは剣をリヴァの背中で踊らせていた

「ほらほら、さっさと消えてください」

リヴァは意識が遠くなる中、蒼髪の女性が遠くからやってきていたような気がした



「はぁぁああああああああ!!!!!」


ズガァン!!!


「ぐぁ!」

リヴァルが腰に蹴りを入れられ、くの字に曲がりながら地面に突っ込んだ

「…く、邪魔するのですか…

レナ」

「えぇ、あなたは私の知っているリヴァルではないようだから」

レナは両腕を顔の前で構え、リヴァルを睨み付けた

「レ…ナ…

どうして…助けに…」

レナは首を傾げて言った


だって…仲間でしょ?


リヴァは微笑み、涙し、リヴァルは痺れを切らせ、薄ら笑っている

「くだらない、無利益です」

レナはどこか余裕の表情で笑い、眉を逆立てた

「あなたはやっぱり私の知ってるリヴァルじゃないですね

倒すのに躊躇がいらなくなりました」

リヴァルはつまらなそうに剣をリヴァから抜き、レナに向ける

「あなたも結局は殺すつもりです、早く死ねて良かったですね…」


ズガッ!


「ぐへ…!」

リヴァルは一瞬何が起きたか分からなく、気が付いた頃にはレナの二発目の右ストレートを顔面に打ち込まれた

「はぁ!!!」

そして痛恨の一撃

レナのリヴァルの首に向けての上段蹴りが見事に決まった

そしてみぞに拳を一撃

「くぁ…」

それからレナは何もせず、リヴァに駆け寄って剣を抜き、回復の魔法をかける

リヴァルは目の前が真っ暗になり、そのまま地面にぶっ倒れた

「レナ…ありがとうございます…本当…うぅ…ひく…」

レナは天使のような微笑でリヴァルを癒し、心がどんどん軽くなっていく

「…レナ?クロードのオペレートをしていたんじゃ?」

レナは思い出したように顔を上げ、さっきまでの微笑が消え、どん底に落ちたような表情になってしまった

「クロードの応答がないの…だから…」

リヴァは気遣おうと何か考えるが、レナはすぐに座り込みリヴァの回復に専念した

「れ、レナ…私はある程度もう大丈夫…丈夫に出来てるから…

それよりレオンを…レオンを助けて!!!」

レナは周りの状況を見ながら驚きを隠せなかった

「この建物の損害…レオン達の戦いの後…?」

そう、周りの建物はほとんど半壊状態で道も瓦礫の山になっていた

「レオンが!!!レオンが!!変になっちゃったんです!!!

まるで獣みたいに!」

レナは首を傾げる、立ち上がりリヴァを安置し、小走りで一番被害が凄い瓦礫の山へ向かった


「レオン!!」

円状に崩壊している瓦礫の上で倒れ込んでいるレオンを見つけ、走って駆け寄った

「レオン!!大丈夫!!」

それと同時に近くの瓦礫ががらがらと言いながらヴァンが現れる

「はぁ…はぁ…耐え抜いたぜ…へへへ…

ぁ?…確か…お前は…レナ・ランフォード」

新たな獲物を見つけたかのように構える

「どうせレオンにとどめはさせてくれないんだろ?」

レナは当たり前に頷く、レオンをそっとしておき、ヴァンの前に立つ

「おぅおぅちっちゃくて可愛いなお前…

そんな細い腕じゃ秒殺だぜ?

楽しませてくれよ?」


ズガッ!


「ぐッ」

先手必勝、レナはヴァンの関節を的確に拳を打ち込んでいく

「ぐぁ!!ぎひ!!お前!!くッ!!」

弱りきってしまったヴァンはほとんど神経が鈍り、避けられるものも避けられなくなっていた

「だがな…お前…そんなんじゃ…俺は…たおせねぇ!!!」

そう、残るは力

力を振り絞りレナを弾き飛ばした

「きゃぁ!!」

瓦礫の上をはねながら転がっていくレナ、ヴァンは刀を抜いた



*こめんと*


レオンが覚醒!?

いや、なんか元々の本能とかなんとからしいです(勝手な設定

でも、ネコ科ってことでぎりぎりですね!(×

ということで物凄い格闘技が炸裂して街が吹っ飛ぶ訳です

ヴァンはなんとか耐え抜いたようですが、多分直撃だけは免れたのだと思いますでふ

それを見てリヴァがもがきますがリヴァルがいじめるんですねー!酷い酷い!

そこへレナ登場!そしてヴァンとでくわあしてさぁ大変!刀抜かれてさぁどうする!!

というかクロード君はどうした!?

まぁ、頑張って〜(無責任



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