STAR OCEAN Sanctions of God







第四章 






第一部





ズガァァン!!



「ちぃ!やるじゃねぇか!チビっ子!」

反動で吹っ飛んだヴァンが体を翻して地面に着地する

レオンはちびっ子扱いに少々無機になっていた

「僕は大人だ!」

怒る部分が少々間違ってはいるが、レオンの繰り出す拳の一発は相当な強さであった

殴っているという表現よりは拳で紋章術を爆発させているような様

それは刀と拳がぶつかり合う事でその部分は相当な力が凝縮され、刀のヴァンは押し戻されてしまうのである

「あぁー…その拳に宿ってる術が危なっかしいな…」

刀をスラーと動かし、構え、レオンに向かって振りかざす


ズオォォオン!!


またしてもそれを拳で受け止めるレオン

拳に直接当たる事無く紋章術の基礎魔力と、闘気を練り合わせた物で防ぐ

ヴァンはそれでへこたれずに何発も切り込んで来る

ぶつかる度に爆発音が響き、その光景を見る限り、レオンとヴァンは相当な激戦を繰り広げていた

レオンは右手で刀の隙間を縫ってヴァンの横腹にジャブを決め込む

鈍い音がするとともに焼け焦げる匂いがしたと思うと、ヴァンはレオンを睨み付け

右手を左腕でしっかりと捕まえてこちらに引っ張った

「くっ!」

物凄い力で引き付けられたレオン

そのままヴァンの膝が腹にめり込んでいく

レオンは目を見開き、不意の膝蹴りに意識を朦朧とさせていた

ヴァンは容赦なく腰を曲げるレオンの腹に向けて刀を突き上げた

ガキィンという音と共にレオンは小手でなんとか刀の進路を変え、体を空中で起こす

ヴァンは空中にいるのをいいことに、レオンにもう一度刀を振り下ろすが…


ズガガガガガガガ!!!


レオンの紋章術、闘気が加わった蹴りが幾度もヴァンの中心部分を連打していた

レオンは重力で下と後ろに下がるはずが、風の紋章術を自在に操りながらそのまま前進する力のまま蹴りを入れていく

相当な力で蹴りを入れられ、ヴァンは反撃するまでに結構な時間がかかった

「うらぁあああ!!!」

ヴァンがレオンの体に刀を切り込もうとした瞬間、刀の先から渦を巻くように炎がヴァンに向かっていく


ゴォォオオオ!!!!


一瞬にしてヴァンは大きく燃え上がり、煙を上げていた

「ぐぁあ!!」

悲鳴をあげながらもヴァンは構わず反撃しようと刀を振り回す

その刀を両手で弾き飛ばしながら防ぐレオン

そして一気に空中で加速し、ヴァンの胸に触れた


カチカチカチ…ピキィイイン!!!


急激な氷点下の紋章術をヴァンの胸に叩き込んだことで燃え上がっていた炎は凍り

ヴァン自体を氷付けにした

「うらぁああああ!!!」

ズガァアンと言ってヴァンは根性で氷を叩き割った

ぱらぱらと凍っていた部分が落ちていきながら、ヴァンは荒い息を吐きながらニヤリと笑ってレオンを睨み付けた

「おもしれぇじゃねぇか…」

レオンは余裕の表情で笑っていた




「ちぃ…」

リヴァルとリヴァが剣を互角に交えていく

お互い魔力が使えなくなってしまったため、ただただその剣で相手を倒すことしか考えられないのだった

「互角とは情けないものですね」

リヴァルが少しイラ付いた表情で剣を交える

「互角…違いますね」

リヴァが微笑みながら答えると、大きく剣を振り上げる


キィン!!!


何とか防ぎきると、リヴァルはどこか面白くない表情でリヴァをにらみつける

「どこが互角じゃないと?あぁ…あなたのほうが弱いんでしたね」

リヴァルは高笑いして見せると、黒い羽で大きく飛び上がった

「いいえ…あなたと私ではかけている物があります」

リヴァも地面を蹴り、上空へ舞い上がった

上空で剣を交えながらリヴァルが呆れたように笑ってみせる

「あなたには人を殺すということに躊躇するあたりですかね?」

リヴァは少し無言で剣を交えあっているが、呟く


あなたには心というものがありません!


含み笑いをして剣を振るリヴァル、どこか切れ気味であった

「はは…何を言っていらっしゃるのかしら?

こうしてあなたを今殺そうと心と胸が弾んでいるというのに!

どこに心がないというのですか!」

大きく木霊す剣と剣の轟音

リヴァルはやはりどこか薄ら笑っていた


「あなたは…!

誰かを好きになったことはあるのですか!!!」


自分で言って顔を赤くするリヴァ

リヴァルは呆れたように剣を振り上げる

「私には無意味な感情ですね!!!!」

ガキィンと上空を揺るがす一撃に、リヴァは少し怯むが、加速を付けてリヴァルの懐に飛び込む

「そこがかけているというのです!!」

リヴァルは挑発するような顔で笑う

「かけているのではありません

元々ないのですよ!!!」

「くぅ」

再び剣を交えて轟音を響かせるリヴァルとリヴァ

リヴァルは余裕の表情、リヴァはどこか悔しがっていた

「ない訳がないのです!あなたも私のコピーであるのなら!

誰かを大切に思ったり、好きになれたり出来るはずです!!」

その言葉が言い終わる前にリヴァルはくだらない!を連呼し、飛び掛かる


ガキィン!!!


「それこそが無駄と言うのです!!

何の得が…あると言うのですか!!!!」

リヴァルが切り込み

リヴァは答える

「ずっと心が温かいんです!!」

その言葉にまたリヴァルが歯を食いしばり、舌打ちをする

「くだらない!温かいからなんだというのですか…!」

言っても分からない、そう悟ると、リヴァは目を細めた







ズガァァアンッッ!!!


「ぅ、うぁあああ!」

アポトロディウスの右手での大きな一撃、カルナスノヴァは大きく孤を描きながら建物に突っ込んでいく

ガラガラと音を立てながらカルナスノヴァが起き上がろうとするが、

アポトロディウスは邪魔物を排除するかのように尾で何度もカルナスノヴァを叩きつける

「ぐ、ぐぁ…!」

なんとかアポトロディウスの尾を掴み、状態を起こすカルナスノヴァ

右手に全力を集結させ、アポトロディスを奥に投げ飛ばした

「建物の被害が最小限で済むか心配だなぁ…」

クロードはため息をつきながら苦笑いをする

『クロード!だ、大丈夫!?』

レナの声が機内に響き渡り、クロードは少し疲労を回復させた

「まだまだこれからだよ!」

そう言うと、クロードは息を一度大きく吸い込み、一気に突っ込んでいった


グガァァァアア!!!!


大きく木霊す鳴き声に少ししびれをきらせながら、カルナスノヴァは右手から高出力のブレードを伸ばす

「うぉお!!」

カルナスノヴァは直接頭を狙い振りかざすが…


グォォォォオオオオン!!!!


今までにない叫び声、空間を揺るがしかねない衝撃波

カルナスノヴァはグググと動きながらもゆっくりとしか体を動かせない

このまま攻撃に向かったらやられると思い、カルナスノヴァは後方に下がっていく

だが、そのころにはもう遅かった


ズゴォオオオオオオ!!!!


アポトロディウスの口から火炎が放射され、カルナスノヴァがまともに炎に巻き込まれてしまった

『クロードォ!!!!』

レナの叫び声が聞こえる

クロードはなんとか起き上がり、機内が高温度になってしまったのに気が付き、やむ負えず操縦席を強制的に開く

カルナスノヴァのボディーは火に強く作ってはあったが、さすがにさっきの一撃で全体が焼き焦げていた

そう、この状態はあまりに危険で、操作不能のカルナスノヴァの操縦席を直接攻撃されればクロードはお陀仏なのである

開くと同時に目の前にアポトロディウスがいることに気が付く

「まずい…!」

『く、クロード逃げて!!』

レナに言われてもクロードは操縦席から立ち上がる事はなかった

地球を任された重み、それを噛み締め、クロードは恐れず操縦席の出口からフェイズガンをぶっ放した


ズゴォオオオ!!!!


目くらましにでもと放ったフェイズガンだったが、アポトロディウスの顔に直撃したフェイズガンで怯み

唸り声をあげた

クロードは冷や汗をかきながらも操縦席に戻り、全機内の温度を下げるためカルナスノヴァの各部分から蒸気が噴出していく

正常な状態に戻ったカルナスノヴァは小刻みに動きながらも怯んでいるアポトロディウスに突っ込んでいく

「うおぉおお!!!」


ズガンズガン!!


右手左手とアポトロディスの顔面を殴っていくカルナスノヴァ

その攻撃は確実に効いているが、だんだんとアポトロディスが前進し始める

「ぐがぁぁああ!!!」


ズガァン!!


雄たけびをあげながら大きな手でカルナスノヴァの体を鷲掴みにして地面に叩きつけた

追い討ちをかけるように足で踏み潰そうとするが、カルナスノヴァは負けじと転がり、背中にある重兵器を取り出し

右手と左手でバランスをとりながらガシャンと構え、アポトロディスの目の前でぶっ放した


ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッッ!!








弾薬が次々に飛び散りながらその弾をアポトロディスの腹部に打ち込んで行った

だが…


ズガァァ!!


腹部は全くと言っていいほど喰らっておらず、アポトロディスはそのままカルナスノヴァを尾で吹き飛ばした

『クロード!!!む、無理したらやだよ!!』

「はは…勝てるのか…分からなくなってきたよ…」

『馬鹿ぁ!勝ってよ!!?』

「あぁ」




*こめんと*


インフルでぶっ倒れてました…

というかもうPCの前にいること自体が苦になってきましたが…

そんな中でなんとか書くことができました

三人分の戦いをお送りしました

レオン自体は紋章術を知り尽くし、使いたいように使っていましたね(怖い怖い

数年前とは強さが馬鹿になっているわけです!

リヴァルは剣を交えるのは余談で、なんだか話まくってましたね!!(ぐぁ

そしてクロード

カルナスノヴァでアポトロディスに勝てるのか!?

多分カルナスノヴァ自体は接近戦型ではないので重兵器が主だと思います

腹部に凄いのぶっ放しても喰らわないのにどうするクロード!

ということで皆、私も頑張ります…(沈黙




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