STAR OCEAN Sanctions of God







第三章 






第四部



「どうだった?クロード」

一階の通路でレオンがクロードを見つけ、議論の結果を聞く

リヴァルはやはりどこか思いつめた表情でうつむいている

「一応はアポトロディウスを僕だけでやる許可をもらった」

その言葉でレオンは瞳を見開き、クロードに詰め寄る

「ちょ…クロード一人でやる気!?」

クロードは少し苦笑いしてレオンに目線を合わせる

「流石に僕だけじゃどうしようもないから…

レオンとリヴァルにも手伝ってもらいたいんだ」

レオンは安堵の息を漏らし、笑顔でクロードにそれを問う

「じゃあ、僕達はどうすればいいのかな?」

クロードは頷き返答する

「ヴァンの相手をして貰いたい」

レオンはどこか予想外れの返答に戸惑った

「だ、だって…ヴァンはクロードがけりをつけるんじゃ?」

予想的には色々な物資を運んだり、その他もろもろ辺りだと思ってはいたのだった

だが、レオンは疑問に思う

「え、じゃあアポトロディウスはクロードが倒すって事!?」

当然そうなるわけだが、提案があるのだろう

「まあ、生身じゃ戦わないよ」

その言葉により首を傾げた

そしてリヴァルが呟く

「クロード…生半可な武器ではアポトロディウスには勝てませんよ…?」

クロードが頷き、どこか笑みを浮かべる

「あぁ、分かってる」

レオンはクロードが何を考えているのか分からず、そのままクロードを見つめ続ける

「前の僕の誕生日にプリシスがくれたものだよ」

レオンは口をあんぐりと開けて目をぱちくりとさせた

「め、メカバインに乗る気!?

だ、だってあれプリシスのと同様にお蔵行きになったんじゃ!?」

クロードはポケットからキーを取り出して見せてみる

「議長から借りる事が出来たんだ」

それでもレオンは焦って焦って焦りまくっていた

「だ、だからって!

だって地球自体そんなロボット工学より戦艦とかの技術だけで、ロボットの整備とかされてるものなの?

お蔵行きになったぐらいなんだから、一回プリシスに見てもらったからにしたほうが…」

クロードは大丈夫大丈夫と復唱する

「一応プリシスがこっそり定期的に整備してたらしいんだ」

レオンが呆れ顔で額を手で覆う

リヴァルは興味津々でレオンとクロードに聞く

「め、メカバインってなんですか!?」

目がキラキラしているリヴァルを見てレオンは少し鼻を伸ばしつつ、説明する



「元々プリシスはメカフォースっていう無人君っていうのを作ったんだ

それが地球に来て改良加えていって

動力源自体は変わらないんだけど…

僕の紋章術の技術もより取り入れてメカバインっていうロボットを作っちゃたんだ」

リヴァルはふむふむと言いながら聞き入っている

クロードは苦笑いでレオンの言葉に付け加える

「それで作ったのはいいんだけど、使う機会と、無駄なエネルギーとこだわりで軍が自主的にお蔵入りにしたんだ」

リヴァルはそれでそれでと未だ目を輝かせている

レオンはなぜこんなに目を輝かせるのか分からずにいたが、クロードが歩き始めたので一緒に着いて行く

「まぁ…そんな訳でクロードはアポトロディウスと戦うのに戦艦より十分小回りや、

操縦が効くからメカバインを選んだわけだと思う、ねぇクロード」

クロードは何気にクレープを頼んでいた

「え?チョコがいいって?」

レオンが緊張感のなさに少し呆れ気味でチョコと答える

リヴァルは「??」で赤いの赤いのと連呼する

「レオン、これはなんですか!?」

リヴァルが見るもの見るもの目を輝かせている理由が分かってきた

好奇心が旺盛でもあり、見るもの見るものが珍しくて仕方がないのだろうと思う

「クレープって言ってね…あれこれ…etc」


「あれ?クロード?」

長々とクレープの歴史を語っている間にクロードがいなくなっていることに気が付く

「おいしいです!レオン!」

周りの人がクスクスと笑うのを視界に入れながらうつむいて、横目でリヴァルを見つめる

もふもふと食べるリヴァルを見てレオンは微笑んで空を見上げた

「このまま時間止まらないかな」

リヴァルは鼻にクリームをつけてレオンに問う

「どうしてですか?」

レオンは首を横に振ってなんでもないと言うと、立ち上がり、クレープの最後の一口を食べようとしていた

「あ、私もそのチョコを食べてみたいです!!」

と言っている間にかぶりつくリヴァル、レオンはあー!っといって名残惜しそうにするが、二人でそのまま笑った




---銀河連邦 地球中央軍事司令塔 地下19階格納庫---



「……」

クロードとレナはキーで封印してあった扉を開き、唖然とする

そこにはしっかりと開けたと同時にメカバインが照明で照らし出される

白いボディーのメカバインが一体ポツンとそこに立っていた

「なんで処分しなかったのかしら」

クロードはさぁと言って踏み込んでいく

通常お蔵入りにでもなったら処分して終わりな筈なのだが、なぜか残っている

それにプリシスは定期的に整備しに来ていたらしい

多分プリシスの事だ、ここに潜り込むのは容易い事だろう

「それで、私は何をすればいいの?」

レナは踏み込んで周りを見渡しながらクロードに問う

「戦艦のオペレートの資格は確かレナはSランク持ってたよね?」

レナは頷いて見せるが、首を傾げる

「で、でもロボットのオペレートは別物じゃ…」

クロードはにっこりと笑い、レナの肩に手を置く

「オペレート自体は変わらない筈だよ

発進するものが違うだけだから」

レナはあわあわしながら考える

「で、でも…

軌道発進じゃレールが合わないし、全部戦艦用モジュールだから…

まず戦艦発進させるのにも何百人ってサポートしながら発進するのに…

私一人なんて…

そ、それに!!

クロードまずロボット動かせるの?」

クロードは笑顔で答える


「ロボットは動かしたことないんだ…」


レナは唖然としながらうつむく

「だ、だって後5日もないんだよ?

通常戦艦の教習だって3年必要…一人で行うものじゃないし、複数の人色々な箇所でそれぞれ動かす…

今じゃクロード、戦艦じゃ提督だから、指示と自己処理…

ぅー…だ、大丈夫なのぉ?」

クロードはなんとか頷いてみせると、レナに問う

「ろ、ロボットのバーチャル模擬戦闘とかないよね?;」

レナは瞳を閉じてため息をつき、頷く

「な、なんで引き受けちゃったの…クロード」

レナはどこか寂しげな表情でクロードの裾を引っ張る

「これは僕達の問題だし…それで軍を動かすわけにはいかない…」

レナは顔をズイッとクロードに向ける

「だ、だからって…!

…やなの」

クロードは、え?と言いながらレナの顔を覗き込む

「クロードが…

いつも任務行く度に…不安で…不安でいっぱいで…

なのに…なのに…」

クロードは慌てながらレナの両肩を持って苦笑いした

「でも…やっぱり僕らがやらなくちゃね」

レナはゆっくりとクロードに身を寄せる

「…本当は…

そんなの軍に任せて、私はクロードと一緒にいたいって思ってる…

そんな勝つか負けるかの勝負なんてしないで…

地球なんて滅びるなら滅びてしまえばいい

そう…考えてしまう」

そんなレナを優しく包みこんでいくクロード

首を横に振り、そっと瞳を閉じる

「僕も確かに…そんなの放って一緒にいたい

だけど…

ここで逃げるわけにはいかない

僕は…


クロードだから


クロードとして…やれる事を精一杯やりたい

一軍人として

一人のレナの恋人として

僕の居場所を、レナとの未来を守るため…




僕は戦う







「クロード…格好良いよ…

………そんなあなたを愛してます…」

レナはゆっくりと顔を上げ、クロードはそっと唇を交えた









「それで、レオンこれからどうするのですか?」

リヴァルは有意義なデートを楽しみ、満足げに歩いていた

「一応クロードからヴァンと戦えって言われたけど…

クロードがあんな苦戦したのに僕は戦えるのかな…」

リヴァルは深々と頭を下げる

「ごめんなさい…私…前みたいな力がなくなっちゃったから…何もできない…」

レオンは首を横に振る

「いいんだ、リヴァルには戦ってもらいたくないからね」

それでもリヴァルは頭を下げたままである

「無理…しないでくださいね」

レオンは頷いて見せた





*こめんと*


なんと、クロードが生身で戦うわではなかった(残念(コラ

プリシスが誕生日プレゼントに作ったメカバインこと「勇者君」

ネーミングはさすがと言ってもいいでしょう!

やはり戦艦を幾人で操縦するのとはかってが違います

戦闘機の資格もクロード君は持っていますが、感覚が全く違うロボット

クロードは操縦できるのかな?

というかそのロボットで勝てるのだろうかー?

そんな不安もありながらレナが逃避行したいらしいです

分かりますね〜

そんな任務放り出して恋人と逃げるというのは

まぁ…あれですね

クロードはもうクロードですから(ナニガイイタイ

レオンにヴァンを頼んで良かったのでしょうかねー

はい、それでは

一応この章はアポトロディウスが落ちてくるまでの章なので、まだなんだか続きます

それでは、地球を頑張って救ってね!(無責任




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