STAR OCEAN Sanctions of God







第三章 






第一部




---地球---



「ほら、レオン起きて下さーい

朝ですよー」

リヴァルがうーうー唸るレオンを揺らして起こそうと頑張っていた

「ほらーレオーンー

今日はクロード達にあの事を言いにいくのでしょうー?

早くしないと軍のほうの呼び出しかかるって言ってたじゃないですかー」

レオンが寝ぼけ眼でリヴァルを見つめる

その目線でリヴァルが赤くなっていく

「え、えと…」

レオンがまだ寝ぼけているのか、周りを見渡していた

「今日は…」

リヴァルがすかさず頬を膨らまして顔を近づける

「だから、クロード達に会いに行くって…んんっ」

レオンが寝ぼけたまま唇を奪ってベッドへと引きずり込んでいく

「はわわぁ///」

リヴァルはもがいてじたばたしていたが、レオンがいつのまにか瞳を薄く開いて天井を見つめていた

「いるんだな…リヴァル」

リヴァルを抱きしめている腕に力が入る

リヴァルは耳を真っ赤にしながらむぐむぐと言ってレオンの胸から顔を出す

「いますよ…」

二人はどことなく笑って準備を始めた








---銀河連邦 都市部開発事務局 第一支部---


「あれ、レオン博士

どうかなさいました?」

いつもお世話になっている事務局で、レオンは下準備の為に色々と手続きを済ませていた

大抵ここの部の職員はレオンに博士を付けて呼ぶ

それ相応の経歴を持っているというのもあるが、やはり誰もがレオンの事を認めている

しっかりと大人と変わらない対応でサポートしてくれる

「ちょっと休養を取りたくてね」

職員は笑みをこぼす

「休養ですか…

そうですねーこのところレオン博士は休みなく働いてましたからね…

それでそんな可愛い彼女いつのまにできたのですかねー

休養を取って旅行でもされるわけですか?」

レオンもどこか顔を赤くしながら苦笑いする

「そんな所かな…」

リヴァルは後ろで首を傾げている様子で、周りを見渡していた

「はい、それでは一応仮手続きのほうは終了しました

後々レオン博士宛に通知送っておきます」

レオンは頷いてリヴァルの手を引いて足を進め始めた

「地球って凄いですねレオン」

関心の色を見せながらぽてぽてと流されながらリヴァルはついていく

「それで、次はどこに行くのですか?」

レオンは微笑んで遠くに見える大きな塔を指差す

「クロード達のところかな」





---銀河連邦 地球中央軍事情報塔 第三ルーム---



「クロード少佐…お客様がお見えになっています」

数年前

クロードが少尉になった時点で親の七光りと言われ、クロードも少尉という位にあまり関心はなく

むしろ七光りと言われるのが大変嫌であった

だが、エクスペルで自分を見出すと、クロードという軍人としての誇りを掲げ

父が死んでしまった事を悔やみながらも、軍人では一番の功績をあげてきている

その結果最近やっと少佐という誇り高い位まで上りつめたのだった

父の後を継いで優秀な軍人と最近では言われている


モニターからの声にクロードは許可を出し、扉の方に顔を向けた

ウィーンの音とともに扉が開いてレオンとリヴァルが顔を出した

「レオン久しぶり…元気にして……ぇッ!!!」

リヴァルを見るやいなや戦闘態勢に入るクロード、周りの軍人達もクロードの行動にとっさにこちらにフェイズガンを向ける

レオンは焦りながらクロードに事情を説明した


「そ、そうだったんだ…

まぁ…一応…おかえりリヴァル」

リヴァルが微笑んで頭を下げると、クロードはリヴァルがいない時のレオンの話をし始めた

「わ、わわわ!!ちょっと!!!クロードやめてよ!!!」

そんな事をしている間、リヴァルはどこか寂しそうな表情をしていた




「……それはちょっと無理があるな…

軍がこの前のニューの襲来を持ってエディフィスに送り込むっていうのは…

僕でもちょっとそこまでの権限は持ってないんだ

それに、上層部じゃ報告してもニューだけの被害じゃ動かしてくれない」

レオンはどこか分かりきってはいたものの、どこか寂しげに肩を落としていた

「そっか…」

リヴァルが気遣いながらもレオンはクロードに頭を下げた

「それでは…失礼しました」

レオンが去っていこうとする中、クロードはため息をついて呼び止めた


「レオン…エディフィスに向かう前に問題が起こりそうなんだ」


クロードがまずレオンにモニターにを見せる

そのモニターには地球圏が映し出されていた

「何か問題があるの?」

特に問題がなように見える通常と変わらない地球圏に、レオンはクロードに問う

「そう…見たままでは何もないように見える

だけど……

エネルギー的に見ると、高エネルギー体が地球圏内に存在することが分かっているんだ」

レオンは首を傾げて、モニターを見つめる

「分かっているなら調査をすればいいんじゃないの?」

クロードは首を横に振る

「調査をしてもただそこに高密度なエネルギーがあることしか分からないんだ

何もない場所に高エネルギー体はまるでわざと存在を出しているようなんだ」

またしてレオンが首を傾げる

「何しに?」

クロードも腕を組んでため息をついている

「多分このエネルギー体は囮で、その何かは姿を消してこの地球に降下しているかもしれないんだ」

レオンがモニターの画面を少しいじりながら思い当たる部分を見ていく

「おかしい…普通降下したら引力が働く筈なのに…

形跡が残らないように侵入しているってこと?」

クロードはお手上げのようで、ただ分かっている事だけを話す

「今現在大きな何者かによる被害は出されていない

まだ地球にいるのかも分からないし、地球に侵入して何かを企んでいるかも分からない

その者が何者かの手によるっていうのは分かるけど、はっきりした事はほとんど分からないまま動けないんだ」


「クロード!!!後ろッ!!!!」



ズガンッ



「…リヴァル…邪魔するな」



とっさに振り下ろされる刀を避け、クロードは床を転がって体勢を立て直した

レオンはその者を見つめ、あ然とし

リヴァルはどこか高ぶっていた



「よく分かったな…囮まで見分けるとは流石だぜ

だけど…目的や位置までは分からなかったようだな?

だって俺が攻撃するまで前にいるのに気付かなかったんだもんなぁ!!!」

そこにいたのは全身赤い服を着た男、手には刀

目つきは鋭く、ただただそこにいるだけでの威圧感があった

「誰だ!!!お前は!!!」

クロードが一応のフェイズガンを構え、他の軍人にも構えさせる

「おっと…ここでフェイズガンを無造作に打てないのは知ってるんだぜ?」

クロードが舌打ちをし、そいつはニヤリと笑う


「お前らエディフィスのマザーに手を出した奴等を葬り去りに来たんだよ!!」


レオンが目つきを変え、今何も出来なくなったリヴァルをかばう

「おうおう…リヴァル…いや…今は古いタイプだったなー

たまたま再生してもらえたのになんでのんきにそいつらと一緒にいるんだ?殺しとけよ」

クロードとレオンはチンプンカンプンで、リヴァルとその男に目線を向けていた

「リヴァル…?どういうこと?」

レオンが少しリヴァルから距離を置いて立ち尽くす

リヴァルは今にも泣きそうになりながら、思い出し始めていた事を話し始める

「わ、私は確かにマザーの野望のために再び作られました…

ですが私は前の記憶を引き継いでしまっていたため、そのまま力を奪われて捨てられました…

でも…私はレオンや皆に対する思いだけで地球にやってきたんです…」

少し曖昧な言い方ながら話をすると、レオンはどこか不安げでありながらリヴァルをその場で抱きとめた

「レオン…ずっと側にいたいのです…」

その間、クロードはその男に目を向け、フェイズガンを構え続けていた

男は首を横に振って、クロードに訴えかける

「俺は敵の背中をけして狙いはしない

義理と人情だけは心得ているつもりだぜ?

さぁて…リヴァルには悪いが、この二人は殺させてもらうわ」

そう言うと、まずクロードに向かって刀を振り下ろす

それをすかさずフェイズガンで防ぐが、そのまま切り捨てられる

なんとか振り降りた刀を避け、腰から剣を抜く


「義理と人情が分かるなら…最上階での所で勝負しろ!!」

「いいだろう!!!」


そう言いながらクロードを先頭に扉から出て行ってしまった

レオンはリヴァルの手を引いてクロード達の後を追って行った





「さっきはすまなかったな!!!

しっかりとした勝負がお望みとはな!

マザーからは最悪のマナーなやつらと聞いていたからそれに相応な対応をさせてもらった!」

クロードは思う

『こいついいやつでは?』と

だが、敵は敵

クロードはそのまま剣を構え、目を細める

「勝負の前に名を名乗れ!!!

俺はヴァン!!!マザーの命令でお前らを葬りにきた!!」

ヴァンは気前よく刀を抜き、構える

「僕はクロード・C・ケニー!

僕にはまだまだ人のため、軍ため!頑張らなくちゃいけないことがたくさんあるんだ!!!

だから僕は勝つ!!!」

ヴァンは高笑いして、気に入ったを連発した

「ちょっと待って!!」

レオンがやっと追いついてヴァンに問う

「その前に聞きたい!!マザーの目的はなんだ!!!」

ヴァンは少し邪魔された事に腹を立てながら口を開く

「再生されたマザーは、エディフィスにとどまらず、宇宙そのものの美しさに見とれ、

我が物にしようと全ての文明を滅ぼそうとしている!!!

勝手な話だが!それを邪魔するであろうと考えられる12人を消すために俺は存在する!」

レオンは大変分かりやすい説明に関心しながらも、その場でマザーの目的にため息をつくしかなかった

「…それじゃどっかの魔王とかと一緒じゃないか…」

リヴァルも肩をすくめて、頭を下げていた

レオンが考えるに、リヴァルとヴァンという男は同じ目的で作られたようだ

今隣にいるリヴァルが古いと言っていたということは…

もう一人のリヴァルはどこにいるのだろうか…


「じゃぁ!!!いくぜ!!!!」


「あぁ!!!!」


こうして正々堂々の勝負が行われたわけである





*こめんと*


ついに動き始めた歯車

謎の高エネルギー体の正体

囮ということで既に侵入しているかもしれないという状況で…

クロードに切りかかる謎の男!!!!

マザーの目的

まるで世界征服を企む悪の組織のようだけど、自分の配下に置くためにまず全文明を滅ぼすとか…

それより先に邪魔な12人を消すという理由

ヴァンの説明がすっきりしていて分かりやすかった!!!

ヴァンの下絵は実はもう出来上がっていたりします

さて!!真剣勝負だけでマザーの企みは終わるのか!!

皆色々頑張って!(無責任



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