STAR OCEAN Sanctions of God







第一、二章 






〜番外編〜 チサト&ノエル編




「はふぅ…あまりにもエクスペルは平和すぎるわ〜

スクープらしいスクープがありゃしない…」

草原を駆け抜けるチサト・マディソン

ここエクスペルではネーデ程の新聞や報道会社が発達してないため、

ただひたすらスクープのために走り続けている

「ぅぁーん!!こんな人生歩んでたら私孤独のまま終わっちゃうわー!」

毎日走り鍛錬されているため、走っていようが息を切らすことはそうはない

今回チサトは平凡ながらもノエルの取材を受け持っている

それまであまり会う機会がなかったため、久しぶりの戦友、ネーデ人に会えることは大変嬉しいのだが…

『ノエル先生の楽しい動物講座』

というなんとも憎たらしい名前の取材内容で行っている

今回で3回目あたりだ

専門家や、動物が好きなお子様方から高い支持をもらっているそうだが、

チサトにはなんともつまらない取材だと口々に述べている





-リンガの聖地-

ここは前はモンスターがはびこっていたらしいが、チサトにはなんとも信じがたいのである

野生の動物達が元気に暮らすなんとも平和な場所としか今のチサトは考えられない

それはやはり…

ノエルが長居するほどの場所であるからだ

「ノエル先生ーチサトですー

また取材に来ましたー」

ノエルの住む小屋からひょこりと顔を出すと、チサトはにひひと笑ってみせる

そこにはエプロンをして料理をするノエルの後ろ姿

チサトの声に気づくと、パタパタとバーニィのスリッパを滑らせてチサトの元に近づく

「今野菜スープを作っていたところなんですよ、食べていってください」

チサトはペコリと頭を下げると近くにある椅子に腰掛けた

「やっぱりこう…和みますね…ノエル先生の家って」

先生はつけなくても大丈夫ですと呟くノエル、チサトは取材のためだと言い切る

熱々の鍋をテーブルに置くと、ノエルも椅子に座る

いつのまにか床に置いてあった餌に動物が群がっていた

「和むかどうかは分かりませんが、やっぱりこういう環境がいいんだと思います」

その揺ぎ無い表情にチサトはついつい見とれてしまう

そんな平和な午後であった







夕方頃、ノエルはチサトに取って置きの動物を見せたいとリンガの聖地の奥へ向かった

夕暮れで反射する水晶の数々

チサトはこんなに奥に来るのは初めてで

心が本当に弾み、癒されていた

「ここです」

案内されたのはとても開けている場所

そこにはぽつんと見覚えのある動物がいた

「さ、サイナード!?」

ネーデで絶滅危惧種に指定されていた高貴な動物であるのは確かで

なんだかサイナードを見てより心が癒され、ネーデを思い出した

「元々はエクスペルに存在しないはずの動物なんです

でも、なんだか以前ネーデが消滅し、エクスペルを過去から引っ張り出した時に何かの弾みで

こちらに移されたようなんです」

ふむふむと言いながらメモを取るチサト、少し興奮気味な様子でサイナードを見上げる

「凄いですねー!!これは面白いスクープになりそうです!!」

ノエルは首を横に振り、サイナードを見上げる

「サイナードは大変高貴な動物です

今この時点で色々な学者がきたら相当なストレスをためたり、興奮したりしますし、

密猟なんてされた日にはこのエクスペルで完全に絶滅してしまいます

だから…この事はチサトさんの心の中だけにとどめておいてくれませんかね?」

なんともキリッとした表情でチサトを見るノエル

動物学者であるべき姿、その動物を愛する心

チサトはどこかで…ノエルにひかれ始めていた…

「はい、そうしまーす」

元気よく答えるチサトに笑みをこぼすノエル

「の、ノエル?こ、今度どっかでお茶しにでもいきません?」

首を傾げながら頷くノエル

「いいですけど…取材ならこのリンガでやってもらいたいですね」

チサトは首をぶんぶん振って否定すると、耳から少し赤らめ、呟く

「取材じゃなくて、こうー気分転換っていうの?あれ、うーん、ねぇ?」

ノエルはどこかポカーンとした表情でいたが、笑顔で頷く

「じゃ、じゃぁー明日!明日またここに来ますから!」

ノエルはゆっくりと頷き、チサトに手を振った

それは本当に平和で…







ズガァンッッ!!!!






「さ、サイナード!!!」

突然上空からの攻撃

サイナードにその攻撃が直撃し、ノエルは叫んで駆け寄った

チサトがすぐ音に気が付き駆け寄ってくる

「ど、どうしたんですか…!!!さ、サイナード!!」

チサトも異変に気付き、上空を見上げた

「う、嘘…!」

そこにいたのは…確実にリヴァル

ノエルも息を飲むが、構わず叫んだ

「なんて事をしてくれたんですか!!!絶滅危惧種なんですよ!?」

リヴァルは冷徹な微笑を浮かべながら降下していく

「そんな動物知ったことではありません

ふふ…攻撃を加える前に見つかるとは…私は運が良いようですね…」

ノエルは歯を噛み締め、唇をへの字に曲げる

チサトも共感してとにかく構えてみせる

「私とやりますか?」

姿を変えるリヴァル、手には大きな爪、そして牙、まるで姿は獣+人

リヴァルビースト

二人がハッと気が付く頃にはあらゆるところから血しぶきをあげていた

「ぐぁ…!」

ノエルが足をがくんと崩し、右腕を押さえる

チサトも体が揺らぐがなんとか持ちこたえ、ノエルに振り向く

「は、早い…!ノエル!大丈夫ですか!?」

ノエルは頷いて見せるが、足の切り裂かれた傷を見るに立てそうにないのは良く分かった

「ぼ、僕は大丈夫です!自分で治せますから…」

苦笑いで答えて見せた後に、ゆっくりと傷口に手を当てて治していく

「ちぃ…記事にするところの問題じゃないわね…」

惜しそうにチサトは指を鳴らしてリヴァルに向き直る

「ほう…やはりそういう能力の方から潰したほうがよさそうですね!」

リヴァルが消えたと思うと、チサトは胸ポケットから名刺を数枚取り出してノエルに向かって投げ込んだ


ズカカカッ!!!!


「くッ…!」

ノエルの目の前で止められた爪

背中に食い込んだ名刺

「熱血記者、チサト・マディソンを宜しく!!」

リヴァルは舌打ちをしてチサトに攻撃を加えようとするが…

「えぃッ!」

ノエルがリヴァルに前から抱きつく

「ひゃッ!離しなさい!」

リヴァルがどこか嫌がっている様子でノエルの背中に爪を立てる

「ノエル!!」

チサトがとっさにリヴァルの背中に蹴りをかました

鈍い音を立ててめり込む足にリヴァルは声にならない声をあげながら体勢を崩した

未だ離れようとはしないノエル

チサトは焦っていた

妬いていた

ムカついていた

「ノエルゥッ!!」

殺意を持った蹴りがリヴァルに何発も打ち込まれる

「ぐふッ!ぐあぁ!!」

何故か抵抗しないリヴァル

チサトは不思議に思い、二人をまじまじと見つめた

「ほら?気持ちいでしょう?」

ノエルがリヴァルの肉球を愛撫していた

リヴァルはなんとも言えない表情でノエルの背中に爪をめり込ませている

「ぐぅッ抵抗するのですね!ならば!!!」


カミカミッ


「ひゃ!!ふぁ…ぁぁん」

ピンク色の声をあげるリヴァル、チサトは名刺を両手で束ね始めている

ノエルはリヴァルの首を引き、獣の耳に優しくカミカミしていた

片方はいつも動物にやるように優しく手で愛撫し

そして肉球をもう片方の手でも愛撫する

「んん…やぁ…ぁん!!お上手ですぅ…んんッ!」



ノエルがどこか赤く顔を染めあげた頃、二人に名刺の束がささったそうな



ズカカカカカカカッ!!!!



「くッ…はぁはぁ…!中々やりますね!」

中々なにをやったのかさっぱりだが、リヴァルとノエルはいい顔をしながら名刺が大量に刺さっていた

「その…チサトさん…今のは…NGでしたか…?」


ズカカカッ!!!!


「あら…名刺もうないわ…」

チサトがあーっと言いながら二人を見る

「ひゃぁん!ノエルうまいぃ…!ぁん!」

「動物さんなんて僕の手にかかれば他愛もないのですよ!」


ズカカカッ!!!!


「よく刺さるペンだわー!!」

チサトは満面の笑みで次々に出しては二人に投げていった

ハッと我に返るリヴァルはノエルを突き飛ばし、後ろに下がって行った

「はぁ…はぁ…危ない…あとちょっとでペットにされるところでした…」

まだどこか顔を赤らめながらリヴァルは散々攻撃したチサトに攻撃目標を定める

「ちょッ!いきなりぃー?!」

通常のパンチなどならいいのだが、思いっきり爪を立てて攻撃をしかけてくる

リヴァルになすすべもなく切り刻まれていく

防御している手が散々に血しぶきをあげる

「くぅッ!!!ぃぃぃいッッ!!!!」

チサトは既に理解していた

自分の攻撃ではリヴァルを倒せないことを…

「どうすれば…ぐぁああ!!!」

手が麻痺し始め、防ぎきれなくなったチサトはそのまま手を投げ出した


ズバババッ!!!!


肉が裂けるのを感じながら胸やお腹などを切り裂かれていく感覚

チサトはすで意識が朦朧としていた


「チサトさんッッ!!!リヴァルの耳元にノイズを大音量でお願いします!!!!」


はっきりとは聞こえなかったチサトだが、ポケットからボイスレコーダーを取り出し

一瞬の隙を見て耳元で思いっきりノイズを走らせた

人間でも耳を閉じるようなノイズに、リヴァルは目を見開いて歯を噛み締める

「ぐぁぁあ!!!耳がぁぁああ!!!耳がぁああ!!!!」

獣の耳を持つリヴァルは、人間の何十倍もの聴力を持っているため、そのノイズにただただ膝をついて唸り声をあげるだけであった

「チサトさん!逃げて!!!」




「アースクエイクッッ!!!!!!!!」



ズガガガガガガガッ!!!!!!




リヴァルは岩石の巨人の攻撃をまともに喰らい、がけ下に落ちて行った

「あ…ぅ…」

なんとか逃げたチサトはその場で倒れ込んだ

「チサトさんッ!!!」

ノエルが駆け寄って行った






「ボーマン先生が言うに命に別状はないそうです

えっと…すいません…僕がなんだか頼りないせいで…」

ベッドであらゆるところに包帯に包まれたチサトが寝転がっている

ノエルが椅子に腰を掛けながら頭を深々と下げていた

「そんな事ないですよー…ノエル、まず…私で勝てる相手じゃなかったから…」

ノエルは首を横にふって二人のチームワークだと呟く

「へぇ…じゃぁあのカミカミしてたのも、チームワークですかね?」

ノエルが黙って顔を赤くし、うつむく

そんなノエルを見てチサトもどこか顔を赤くして呟く

「…わ、私も…リヴァルの時みたいに…優しくして欲しいです…」

ノエルがついに頭から煙をあげて硬直したかと思うとチサトの瞳を見つめる

「に、人間様の扱い方は…さっぱりです」

チサトが含み笑いをしてなんとか自分の気持ちを誤魔化すが…

「冗談ですよ」

チサトはそのままため息をつくとノエルの唇を奪ったそうな






*こめんと*


ノエルチサトー!久しぶりにこの方々を思い出しました!(おぃ

私はちょっとノエルさんの動物の講演会に行って見たいと思ってしまったわけです

どこでやってるんですかね?(エクスペル

そして、襲撃前にリヴァルが来て二人を襲う!!!

でもちょっとなんだかコントをやっているような感じ

ノエルさんえちぃ(ぉ

ぃえノエルさんはえちぃくありません

動物を愛しているだけです!

そんでもってコントが終わったらチサト切り刻まれる(痛い痛い

なんとか動物博士の知恵を得てリヴァルビーストをやっつけたお二人

まぁ…色々…頑張って!!(無責任


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