第一章 第一部 一つの星の繰り返される過ちを絶つ戦いから1年 ---地球--- 「レオン…?」 プリシスがペンチをくるくる回転させながら、レオンの顔を覗き込んだ 指から離れたペンチがレオンの頭に直撃 「ぅッ…あ、あぁ…」 何を考えているのか、PCでの作業の途中でレオンはだんまりとしてキーボードから手を放した 「そろそろ休憩にしよ」 プリシスは上着を着て、ぱたぱたと歩きながらポシェットを腰に巻き、レオンに振り返る 笑顔でいるつもりなのだが、プリシスはどこか気遣うような言葉遣いになっている事に少し後悔していた 「レオン…」 レオンはゆっくりと椅子から立ち上がり、チラッと研究デスクの上の写真を見つめて呟く 「リヴァル…」 「そしたらアシュトンったらさぁー…ちょっとー!レオン!」 どこか上の空のレオンの耳元で大きく叫んだが、レオンは沈黙したまま歩いている 「ほら、人にぶつかるよ!」 人ごみの中、二人で散歩していた それは毎日のように続いていて 皆と別れた後、レオンとプリシスは銀河連邦研究共同の研究室を使っていいように言われ、それぞれの研究に没頭している 研究資金があるから研究には困らないが、地球の技術を全て頭に詰め込むのは相当な時間がかかる事は確か… だが二人の研究意欲はそんな時間をもろともせず、確実に地球の研究者達を抜かして行くのであった そんな中、レオンはあの戦いの後から、何かが抜けている リヴァル 惑星エディフィスの歴史の循環を下すマザーの指示に従いしアクマ 過ちを直すため、12人の勇者を導き、戦いの果てに長い歴史の循環は終わりを告げた なぜ僕は彼女を好きになってしまったのだろうか…? なぜ神は… あの星で僕と彼女を出会あわせたのか… なぜ… この地球で出会い、普通に恋をすることを許してくれなかったのか それはあの惑星で出会えたこその疑問 気にしちゃいけない 彼女は… ずっと僕の心の中にいる筈だから… 「レオン…?」 「ん…」 寝てしまったのか 少しぼんやりした頭で体を起こす レオンはプリシスと一緒に散歩に出かけるまでと、帰ってくるまでの記憶がぼかしをかけたように鮮明に思い出せない 頭を押さえて声の主を見た
「リヴァル…?」 「はい♪」 そうか あの時 「ほらー!レオンしゃきしゃき歩くー!」 「…ッ!」 視界に入る人物 それがあまりにもリヴァルに似ていて… 「リヴァル!!!」 その人物は振り返り、他人とは思えない笑みを浮かべてレオンに駆け寄った 「レオンッ!お久しぶりです!やっと会えました!住所が分かりづらくて!」 レオンはよくリヴァルと似ている人に話しかけるが…反応がまるで… 「リヴァル!本当に…本当にリヴァルなのか!?」 レオンが気が動転しているのかあたふたしている リヴァルが元気に笑って見せた 「はい!」 あまりにも呆気ない再開 どうしてここにいるのだろうなんて そんなのは今のレオンにはどうでもよかった こうして目の前で自分の名前を呼んでくれる 嬉しくてたまらない、色々話したくてしょうがない 頭に物凄い量の感情が沸いた時に自分はその場で目の前が真っ白になってドサリと倒れた 「れ、レオン!!」 リヴァルが駆け寄りレオンを支えて、どうしていいものかあたふたしながら口を開けたままのプリシスを見つめる 「す、すいません!事情は後で話しますので!今はレオンを!」 プリシスはハッと我に返って頷いた 「あぁ…ご、ごめん」 「それで…なんでリヴァルがここに?死んじゃったんじゃ?」 紅茶三つを並べ終わり、プリシスは椅子を反対に向けて背もたれにもたれかかった リヴァルが頭を横に振りながら顔を伏せる 「ごめんないさい…私にも分かりません」 レオンはどこか上の空になりながらリヴァルを見つめ続け… 「レオーン!!リヴァルの説明をちゃんと聞きなさい!」 んっと言ってレオンは紅茶をすする 「ただ、私はなぜかここ地球にいたんです 人ごみの中でなぜか立ち尽くしてたんです」 プリシスとレオンはただ首を傾げている リヴァルはなぜか黙って俯くと、真剣な表情で顔を上げた 「ただ分かるのは… エディフィス…マザーが蘇ったということです」 *こめんと* 当初この小説はレオリヴァでいこうと決めていたのですが… 話の流れと私の勝手な発想力で、連載小説にすることに決めました このHPにしてから初めての連載小説ということで、前HPで成し遂げられなかった 「完結」ということを踏まえながら頑張っていこうと思います! それにしてもレオンとリヴァルがあまりにも簡単に再開してしまったわけですが そこは考えて(一応)… ごめんなさい 引っ張りたくなかったんです… 既にレオリヴァの切ない小説という項目を外れいているわけです! うあぁー;後で単品でレオリヴァ書こうっと… 一応題名見てもさっぱりだと思いますが、こうご期待! back