STAR OCEAN Sanctions of God 〜神の制裁〜







第十四章








第三部





---エリクール2号星 名無き砂漠--









「創造主の命令は絶対なんだね…」

悲しみの感情を込めた言葉と共にプリシスはイセリア・クイーンを睨み付ける

表情を変えなくなったイセリア・クイーンはゆっくりと歩み始めた


「レザードに封印されていた私はあなた達を断罪しようと一度敗北した…

でも、あなた達との戦いは素晴らしいものだった

でも今の私は…次元を超えた本来の力を取り戻し

主からの命を受けてここにいる…

これはもう遊びではない


大いなる災いの断罪なのだ」



歩む姿さえ歪むほどに空気は振動し、砂が舞い上がり始める

「それは結構な事ですねぇ」

レザードの軽いあしらいにもイセリア・クイーンは無言でレザードに視線を向ける


「全てはあなたが現況…

私を封印し…世界の循環を滅茶苦茶にした…

関係の無い者までの人生を狂わせる事になる…


あなたこそが世界で一番の不純物」


レザードの表情は軽やかで相手を小ばかにするような笑みで眼鏡を光らせる


「私の存在は神ですら否定することはできない

それが…私だからです…!」


イセリア・クイーンはレザードの相手をすることをやめて月型の神器を地面に突き立てる


「我が名はイセリア・クイーン

この世界を管理する者…」


見上げる空は明らかにおかしくなっていた

「この時間帯に…この状況下の砂漠地帯で…」

レオンが眉を歪めながら警戒は怠らない…

『あぁ…そうだ…あの威圧感がまさしくイセリア・クイーン』

リヴァルの中のレナスがそう呟く…リヴァルは唇を噛み締めた

空は明るくなっていた筈なのに衛星が真っ暗な空に輝き、不気味な光を放つ


「私達はここで負ける訳にはいかないの!絶対に!」


プリシスのはつらつとした声は空に木霊し、アシュトンがプリシスの横で双剣を構えた

レオンが拳にギュッと力を込め、リヴァルが大きく翼を広げる

ヴァルンティスの隙のない大きな構え、レザードの余裕がありながら睨みを利かせた笑み

おどおどするフロルはしっかりと立つアーツの後ろに隠れ、シャルは無言でうつむきかけていた


「行くよアシュトンッ!!」

その掛け声と共にプリシスは駆け出し、アシュトンが一瞬にして姿を消したかと思うと辺り一面に新緑の葉が舞う

「スパイラル・リーフ・スラッシュ!」


ズバァアアアアンッ!!!


イセリア・クイーンをえぐるような斬撃と共に辺りを吹き飛ばす程の衝撃波が発生

風に乗りながら体中に色んな紋章が浮かぶアシュトンは冷気と業火を纏う双剣を衝撃波の中心部に投げつけた


ズギャアアアアンッ!!!


焼き尽くす業火と凍てつく息吹がスパイラルしながらイセリア・クイーンを中心に竜巻を起こす


「デッドォッ!!トライアングラッ!!」


ズオォオオオオオオンッ!!!


竜巻の中心の上空を舞っていたアシュトンは三つの化身に分身すると、

地上に向かってトライアングルした高濃度の負の魔力の波動を放った

竜巻をも吹き飛ばす負の魔力波動は砂漠の砂をえぐりとる

「これは確かに世界を破滅させられる」

気がつくと上空を舞うアシュトンの目の前にイセリア・クイーンが迫っていた

アシュトンは目を見開いて眉を潜める

「確かに直撃したはずなのにッ!!」

ズギャァアンッ!!

予備の双剣で月型の神器を何度かはじき返すも上空で踏ん張りが利かずに地上へ落下

「うぁああ!!」

落下するアシュトンと入れ替わりで翼で舞い上がったリヴァルが長剣を片手にイセリア・クイーンの元へ

もう片方の手に掴まっていたレオンは翼の羽ばたきと共に大きく上空に投げられた

「たぁああッ!!」

ギィンッ!!

ギャァンッ!!!

その間にリヴァルはイセリア・クイーンとのつばぜり合いを繰り返し

途中からヴァルンティスが応戦したにも関わらず

「ふふ…」


ギャァアアンッ!!!!


力押しで軽くリヴァルは剣を弾き飛ばされ、ヴァルンティスの空を裂く攻撃は全てあたったが…

「まるで手ごたえが無い…」

一瞬の隙から軽くあしらうように月の神器でリヴァルの溝に打ち込む

「ぐふッ!!!」

リヴァルは地上に落下しながら翼をひるがえし、右手から淡い光を放ったかと思うと

「たぁあ!!」

一気にリヴァルは急上昇してイセリア・クイーンの顔の目の前で星をも破壊へ導く破壊波動を放った


ズオォオオオオオオンッ!!!


空に一直線の光が突き抜け、破壊波動が収まる前に目の前で

余裕の表情で波動を直撃するイセリア・クイーンにリヴァルは恐れを堪えながら力を強める…


「ヘル・デーモンズッ!!ゲートォッ!!」


見計らったようにレオンが上空から落ちてくる形ながら数メートルはあろう暗黒の門を開く

現れたデーモンがレオンに力を集約すると暗黒とレオンの紋章力がうなる一撃を放つ


「ダーク・エクスティンクションッ!!!」


ズゥゥゥゥウウウンッ!!!


破壊波動を直撃しているイセリア・クイーンの周りにおぞましい量の黒い球体が現れたかと思うと

爆発という表現よりかはブラックホールといっていい光景が上空に繰り広がる

レオンは上空を舞っていたヴァルンティスにも暗黒の力を集約していた…


「波動・呪獄冥王ッ!!乱れ桜ッ!!!」


オオオオオォオオオオオンッ!!!


イセリア・クイーンの周りがレオンの攻撃でブラックホール化しながらもそこに紅い乱れ桜と共に

黒き波動が舞い踊る

落下していたレオンはリヴァルによって安全に地上に降り

休む暇も無く皆地上で構え…


「クロードが僕に最後に教えてくれた…最後の奥義…」


「七星ッ吼竜破ぁッ!!」


ズギャアアアアンッ!!


レオンの右手から繰り出される七星に導かれし竜の煌きがイセリア・クイーンを喰らい


「我がバンデーン同士の勇姿と共に…放つは究極の波動」


「波動・天地無双!!」


ズゥゥウウウウンッ!!


ヴァルンティスの星の天地を飲み込む程の波動を圧縮した一撃


「さぁ、この世界から消えうせてもらいましょう…」


「アポトロディウムッ」


オォオオオオオオッ!!


邪龍召喚の際に発生する邪悪な魔力の塊を幾つも放ち


「私が…私の意志で放つ…再生を導く破壊の力…受けてください」


「シャイニングフォースッ!!」


ズバァアアアアアアアンッ!!


リヴァルも今までにないアクマだった頃の破壊の力を解き放つ

アクマとしてではなく、自らの清き心で放つ古の光


シャルが未だに口を開かない様子でアーツと手を繋いでいた

アーツは決して何も言わない…

フロルも息を飲んで見守る

「本当にエルネスト様達のお仲間様達はとてつもない方々ですね…!」


プリシスは落下してきたアシュトンを見つけると大きく腕を広げ

十賢者から与えられた体中に刻まれた紋章が輝く


オォオオオオ!!


眩い光と共にスター・アシュトンとなり、アースホープ改めスターホープを構えた

二人の気持ちが同調…崩壊紋章さえも生み出すエネルギーでスターホープを放つ!


ズギャアアアアアアアアッ!!!


ゴォオオオオオオンッ!!!


おぉおおおおお…ッ!!!



上空の雲など地平線まで消えうせ、イセリア・クイーンのいた上空の地上部は砂漠を削り、軽いクレーターになっている

今放てる最高の一撃をぶつけたプリシス達

それでも…


イセリア・クイーンは存在した


ざぁあああああ…ッ!!!


砂が舞い上がっていたこの辺りが一瞬で再び雲に覆われて雨が降り始める…

冷たい雨だった

その中で一斉攻撃を受ける前と同じ位置でイセリア・クイーンは悠々と雨に髪を濡らす…

もう、皆…疲れていないなど…言える状態ではない

力尽きるまで皆戦う準備と志は残っている…

それでもイセリア・クイーンに先程のでノーダメージとなると…

どれほどの力を…ぶつければいいのだろうか…?

スター・アシュトンの全力の一撃でアシュトンは一時眠ってしまっている…

レザードが濡れる眼鏡をくいっとあげながら語り始めた


「私の予測では消えてなくなるか、無傷かのどちらかと分かっていましたが…

やはりイセリア・クイーンは…


存在自体が反物質以上の存在

この世界の物理法則自体が…


イセリア・クイーンには通用しない」


プリシスとアシュトンの融合は反物質以上だと分かっているものの…

凄さの度合いが分からなくなっていた

「簡単に説明して!」

プリシスの嘆きと共にレオンが叫ぶ


「無敵って事!」


大変分かりやすい説明ながらその事実をつきつけられて眉を潜めるプリシス…

雨が降り続く上空でイセリア・クイーンが哀れみの表情を向けながら

蒼き様々な紋章を描く…それは上空全体に描かれ…一瞬で皆その攻撃に気が付いた

「あの紋章は…

マズイですね…」

そうレザードが呟くと、レオンが知り得ない紋章に叫ぶ

「あの紋章は何!?」

レザードがその疑問に答える


「この世界から完全に物質を抹消する紋章…」


皆が息を飲む…イセリア・クイーンの一撃


「イセリアル・ブラスト」


ズッガァアアアアアアアアアア!!!

ズズズズズズズズズズゥゥゥウウンッ!!!

オォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!


オォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!


オォオオオオオオオオオオオオオ…


オォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ…







砂嵐を思わせる砂の舞い上がりと土の吹き飛ぶ音…

衝撃波で辺りは地形を崩しているものの、イセリアル・ブラストは地上を直撃しなかった…



「直撃すればこの星事消える事がえきたというのに…

さて、この世界の物理法則を無にする波動を…


どう中和した…?」


イセリア・クイーンはプリシス達の近くに降り立つとゆっくり歩みを進める

全員が衝撃で伏しているか膝をついている状態だと言うのに

アーツは一人皆の真ん中で堂々と立って見せていた

「アーツ…?」

シャルのどこか怯えの入る声でアーツの名前を呼ぶ

アーツは風貌が変わっており、漂わせるオーラが全く違っていた

シャルの手を引いてしっかり立たせると、イセリア・クイーンに睨みをきかせる


「我輩はこの世界がお前たちに支配される前から存在する…

純潔のエルフ様達をお守りする存在

天地創造する力に及ばずともそれが無でない限り歌で無に返すことも出来る」


イセリア・クイーンは終始無言でいたが、思い出したように紅い眼光を揺るがした


「この世界での紋章術を使う原点の種族…エルフ…

紋章術…この世界の掟を改変する力を生み出した…元凶…

本当の純潔者は天地創造をも可能とする」


横目でアーツの横に立つシャルを見つめると、怯えるその姿に嘲笑し、イセリアクイーンは手をかざす

「なっ!?」

アーツが目を見開いて驚く行動

シャルを中心にほとんどゼロ距離でイセリアル・ブラストを放とうとしていた

「「シャル!!」」

皆がシャルの名を呼んだ頃には轟音と共にイセリアル・ブラストが放たれる


ズッガァアアアアアアアア!!!

ズズズズズズゥウウンッ!!!

オォオオオオオオオオオオオッ!!!!


辺りの視界を真っ白にするその波動は自らの存在を確認するすべがなく

意識だけが漂うかのような感覚に襲われた

「アーツ?アーツ!?」

シャルは震える体で必死にアーツの名を呼ぶ


「結局はその程度…結局は”歌 ”でしか情報分解ができない

生み出した紋章術も詠唱を必要とする

その程度のエルフは結局は神に成りきれないのだ」


体中でイセリアル・ブラストを受け止め、自らの体で衝撃を全て吸収し

アーツは…光が溢れ出し、消えかけていた

しとしとと降る雨はどこか優しい


「エルフの天地創造の原点は自然調和…

自然を愛し…歌を奏でて共存する…

神の座など興味はない」


言葉にならない声でシャルは震え、アーツにしがみつこうとしたが…


「あ、あ…アーツ…アーツッ

私がしっかり…私がちゃんとしてれば…!」


物理的に触れらない程に消えかけているアーツはいつもの表情で笑った


「やっぱり、シャル譲にはこんな運命を背負わせたくなかったプ

シャル譲…?エルフの末裔というのは気にせず

なんでこの旅に、戦いについていく事にしたのか…

それは最初、シャル譲が決めた事だプ」


様々な苦難、仲間の死、レイアの死…

私は踊って…舞って…色々な人に笑顔にしたい…その夢のために私は…私は…

涙を零すシャル、心がゆっくりと温まっていく

アーツの光を全て吸収するかのようにシャルは大きく息を吸った

「ありがとう…私達はずっと一緒だよ…」

傍観していたイセリア・クイーンはシャルの聖母を思わせる安らかな表情に油断する


”我は歌おう、奏でる歌で心を震わせる

我は踊ろう、華麗な舞いで共に心を通わせる

奏でるは、エンシェント・フェアリー”


唱える言葉はまるで奏でる歌のごとく、華麗な舞は調和を完全にした

雨が降る空、雲が一気に吹き飛び、青空を覗かせる

砂漠地帯はシャルを中心に植物が生い茂った

シャルには8枚の妖精の羽が生え、まるでスポットライトかのように雲から溢れた光が雨に濡れたシャルを輝かせる


”ラァーーーーーー♪♪♪♪”


その高い音域と共に一気に周りを木々が生い茂り、花が踊り

華麗な舞で爽やかな風を吹き付ける

プリシス達の肉体と精神の疲労が一気にすーっと消え去り、究極の安らぎがそこにあった

「これが本当の紋章術の…原点…

僕たちはただ言葉と契約だけで唱えていた…

自然との調和こそが…」

今まで研究していたものが馬鹿らしくなったレオンは笑いながら緑の香りに心を落ち着ける


立ち尽くすイセリア・クイーン

言葉にならない感情に大粒の涙を零す

皆がその光景に驚きを隠せずにいた


「勝手に世界のプログラムが書き換えられていたのではなく…

この世界の理が理解を示していた…


この世界と共にこの者達は生きている

どんな未来が待っていようとも…

世界は見守っている

我々が手を出せる領域ではない…」


イセリア・クイーンは短い時間ながら見てきた世界の風景を思い出す


この者達は私達と何も変わらない…

そして何より私達以上に人らしい…


月型の神器を天高くかざすイセリア・クイーン

眩い光が皆の意識を一瞬ホワイトアウトさせる


オォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!


「何を!?」

プリシスが一瞬の出来事に立ち上がって叫ぶ

イセリア・クイーンの持っていた月型の神器が眩い光を放ちながら天高く上がっていく

健やかな表情のイセリア・クイーン…いやその表情はウェルチに戻っていた

ウェルチはこう告げた


「外界からのこの世界の監視を止めたの」


疲れて眠ってしまったシャルを抱き上げ、首を傾げるリヴァル

「そんな事をして…良いのですか…?」

ウェルチは瞳を閉じると少しばかり悲しい表情で微笑む

「私の独断よ、外界の”本当の私 ”は消されちゃうだろうけど

ここまで健やかな気持ちになれたのは初めて…

だからいいの…」

ウェルチが決断した事…否定などすることができない…

ただただ皆がそれぞれの想いでウェルチを見る中

レザードの眼鏡をクイッと上げながら誇らしげな感じに、嫌な表情をするウェルチ

そんなのをよそにプリシスが飛び上がる


「じゃあ、これで終わりなんだね!?」


その元気な声にアシュトンがビックリして目を開ける

「お、終わっちゃったの!?」

決定的瞬間を逃したと思ったアシュトンは相当焦りながら周りを見渡す

皆笑顔でいた…が、ウェルチが首を横に振る


「間もなく緊急用プログラムで地球時間で言う24時間…

この監視停止の原因究明のために

全”エクスキューショナー”が原因排除にこの辺り一帯に出現するわ」


とても面倒だというのは分かったがヴァルンティスが疑問をぶつける


「先ほどから聞いているとこの世界が外界のデータ世界のように聞こえるのだが…」


レオンやリヴァル、アシュトンなどは今の現状を一瞬で理解できていなかった

プリシスが余裕な表情のレザードに問う

「もしかして知ってたの?」

瞬きをした後にレザードが軽々く答えた


「それを言ってあなた達は何か変わります?」


プリシスは瞳をぱちくり、唇を尖らせて答える


「いや、別にそんなの関係ないし」


レオンが一気に肩の力を抜いてリヴァルと顔を見合せて笑う

「そうだよね!」

アシュトンは相変わらずなプリシスににこにことした

プリシスは一度息を吸うとウェルチを見つめる


「この24時間はなんとか耐えてみせる…

でも、私達の存在を保たせるために戦ってる、過去に行ったレナを助けたいの

それにその外界の創造主はまた何かしてくるかもしれない…

どうにか…できない?」


ウェルチは激戦の中で悠々と未だに立っているフロルに目を向ける


「私達外界<FD>、人<FD人>と呼んでいるけど、私がレザードに拘束されていた間

この世界<エターナルスフィア>は誰も入れず、監視できてない状態だった…

なのに…あなただけは悠々とこの世界に精神をコネクトしている…」


レザードは一瞬でフロルの存在が大きくなるのを感じた

その手にはセフィラ<オーパーツ>を握りしめ…禁止事項を”解除 ”させる

「私の外界からの拘束をうまく抜けたということですかね?

ようは私以上のハッカー…」

笑顔だったフロルは急に雰囲気が変わると腕を組んで答えた


「だって、私この世界が好きだったんですもの…急に停止と言われて納得いかなかったんです

だからちょちょっといじらせてもらっただけで…」


なんの話をしているのか理解はできないが、フロルが重要人物だということは確実であった

今さらながら説教するつもりはないウェルチはフロルに淡々と告げる


「私はすでにこの世界を操作する権限はない…

でも、することは分かっている…

この状態でも情報操作を施せるあなたにはこれから、400年後の指定した座標

そして1000年前のエクスペルの座標位置のゲートを開いてもらいたいの

出来るだけ早く」


フロルは少し苦い表情をすると一つだけ愚痴をこぼす

「1000年前はさすがにこの短時間では難しいのですが…」

レザードが思い立ったように声をあげる

「1000年前は時間軸座標だけで構いません」

イセリア・クイーンはその提案でレザードが何をしたいのか分らなかった

どうやって座標だけを知って仲間をそれだけで助けにいけるのだろうか?

そんな考えで話す中、聞いていたレオンが一言


「1000年前のエクスペルはレナを助けるのと、僕らの存在維持がかかってるけど…

400年後に何かもっと重要な出来事があるの?」


ウェルチはレオンに目を向けると真剣な眼差しを向けた

「さっきのFDからの監視停止は私の権限で最大限界は400年なの

権限を失った私も今すぐ創造主に太刀打ちする手段を持ち合わせていない

それまであなた達のような絶対的な強さを持つ存在とは二度と会えない事は確実…

だから…私やフロルは400年間抗えるだけの準備をしておくわ」

フロルが色々と情報改変をしながら大きなため息をつき、涙を流す

「はは…400年もいられるなんて…これも罰だと思って頑張ります…」

レザードが眼鏡を光らせながら口を開く

「何で抗うつもりです?大体の目安はあるのでしょう?」

ウェルチはこの世界のプログラム構造自体は知りえている…

自身に満ちた表情で大きく頷いた


「この一世界であるエターナルスフィアの大本データ自体を

FD世界に引っ張って行くの」


まるで過去のエクスペルを引っ張ってきたような事を悠々とウェルチは言う

プリシスはどこか嫌な予感ながらウェルチに説明を求めるために笑顔で首を傾げた


「その大本データは個体で扱える物量じゃないんだけどさ

プリシスとアシュトンが協力してくれればどうにかなるの

エディフィスを取り込んで一個体になったように…」


本当に嫌な予感が的中


「宇宙全体と融合してもらいたいのよ」


もうにっこり笑うしかなかった











*こめんと*


大変遅くなってしまいましたね…!

完全亀更新の蒼衣再び!

挿絵ないのはスランプ含め久々のペンタブに戸惑い隠せなかったからです!

いつか追加したいですね!



無敵状態であり続けるイセリア・クイーンを相手に皆は必死に抗うも

アーツの勇士、シャルのエルフとしての自然との完全調和によって救われた

停止させた監視と共に来る緊急プログラム

そしてレナを助けるために1000年前のエクスペルに行く事を考えるも…

本当の最終決戦400年後の3の世界へも行くはめに…



ようやくここまできたんだなって感じです…


緊急プログラム発動に抗う現代、過去のエクスペルで抗うレナ、全ての決着がつく3の世界…


どうなってしまうのだろうか…?


こうご期待!!!


2009/06/7  蒼衣翼 




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