第十四章 第一部 ---惑星ストリーム--- ズギャァアアアアアアンッ!!! アポトロディウスがなんとか執行者から逃れ ワープ空間から一気に惑星ストリームの地上に出ることで体勢を崩しながら落下 滑り込むようにしてタイムゲート付近まで地面を削りながら不時着した ---アポトロディウス内中央ルーム--- 「……」 レオンが一人紅茶を嗜んでいながらの突然の不時着 レオンは紅茶まみれでリヴァルがどこか笑っていた 「レザードさぁん!?少し考えてワープしてもらえませんかねぇ!?」 レオンの半切れっぷりにレザードは小ばかにした様子で答える 「リラックスし過ぎなんです」 レオンが口元をひく付かせながら紋章を腕に浮かばせ… アポトロディウス内で一騒ぎ起き損ねていた リヴァルがあわあわしているところでレナがアポトロディウス内で 「トラクタービーム」 ズドンッ!! 逆に作用させたトラクタービームはレオンとレザードを直撃 地面に伏せた状態で勢いよくめり込んだ その様子をさらにヴァルンティスが馬鹿にするかのような立ち位置で腕を組んでいる 「あれ?ヴァルンティス…本元のバンデーン本部とは連絡が取れたの?」 レザードの陰謀を阻止するために必死に道を開き 戦ってくれたバンデーンの英雄はもうヴァルンティスしか残っていない… 世界を守るために協力してくれたバンデーンの人々に敬礼は全員でしたのだが… どこかまだ負に落ちない… レナがその疑問を持ちかけるとヴァンルンティスは少々肩を落とした 「作戦中の戦死として扱われているだろうが… レザードの陰謀は阻止できた 後々順を追って連絡するつもりでいる… 英雄が散っていった事… 新たな陰謀が動き始めている事も…」 レナがお世話してくれたバンデーン兵達に心から感謝しながら… 今は前を向くことにする… 「さぁ…皆!降りよう!」 レナの掛け声と共に降りようとした時… アーツが凄い速さでレナに突っ込んできたかと思うと、大声で叫ぶ 「レイア嬢が死にそうだプ!!」 その言葉にレナは一瞬血の気が失せるが…アーツと共に一気に走り出す…全速力で…! レザードがハッと思い出したようにレナを追いかける 「レオン!!」 地面に埋まるレオンをヴァルンティスと一緒に引きずり出して…リヴァルもかけていく… ---レイア・シャルの部屋--- 「ごめんなさい…ヴァンさん…ちょっと…疲れたみたいです」 エディフィスを出るまで元気そのものだったレイアの見る影もない状態… レイアのか細い声…ヴァンがギュッと小さなレイアの手を両手で握り締める ヴァンの横でシャルはずっと泣き続けていた…もう…どうしていいのか分からずに… 「馬鹿やろう…なんで俺はまたお前を失わなくちゃいけない…」 ヴァンは大きな手でレイアの頬を撫でる…ゆっくり優しく… 「やっぱり…神様二人もの魂が覚醒した今…人間である…器が…もう…もたな…」 一瞬意識が遠のいたレイア…それでもなんとか…意識を保とうとヴァンとシャルの顔をジッと見つめた 「シャル…これ…あげるね」 チャラン… レイアが首から提げている装飾が鮮やかな赤い首飾りを、シャルの首にかけてやると、ニコっとレイアは微笑む 「お姉ちゃ…おねえ…ちゃ…ひぐっ…」 ちょうどその時にアーツ、レナ、レザードが部屋に駆け込み…追ってレオンとリヴァルが到着 「れ、レイア!?」 レナがレイアの元まで一気に駆け寄ると…唇を噛み締めてあふれ出す涙を気にせず…レイアの髪を撫でる 「レナさん…皆さんまで……」 幸せそうに微笑むレイアをよそにヴァンもシャルも…レナ、レオンもリヴァル、ヴァルンティスも…悲しみで埋め尽くされた 号泣するシャル、悲しみに暮れるヴァンを見れば涙を流さずにはいられない光景… 必死な表情のヴァンは少し顔を歪ませるレザードに問う… 「お願いだ…レイアを…前の俺みたいに魂を違う体に入れてくれな……」 パシンッ ヴァンはレザードから平手打ちをかまされていた レザードの表情は哀れみの表情でしかない 「分かって言っていますか?リヴァル…ヴァン…アシュトン…ディアスの 魂を確かに安定した器の体に私は移した… ですが…この体を生成するのに…何万もの人が犠牲になっています 私もあなたも罪を重ねろと? それにこのアポトロディウスの設備では生成は不能…」 ヴァンが拳を壁に叩きつけて悔しがる様はその場にいる全員が…痛いほど分かっている… 「また…俺は…大切な人を…守れずに…」 レイアが笑いながらヴァンの大きい手をそっと掴む 優しい微笑みでレイアは首を横に振った 「フフ…十分守ってくれましたよ?」 リヴァルがレオンにしがみついて涙を隠す… ヴァルンティスが重い影を落とした… 「また…仲間を失うのか…?」 レナは涙を流しながらもしっかりと立っている…ギュッとオーマを握り締める 「レナお姉ちゃぁんッ!!私…私何もできないよぉッ!!」 そんなレナにシャル、アーツは飛びついて激しく嘔吐しながらも泣きじゃくった… レナのヒーリングをもってしても…回復できるのは肉体だけ…どうしようもない… ハッと気がついたようにヴァンがレザードに呼びかける 「そうだ…レイアは俺に体を与えてくれたんだ…レイアなら自分の…!! それか…俺がまた魂を分けて…!」 レザードは瞳を閉じて首を横に振った 「自分の体は自分が一番良く知っているでしょう? レイアの器で一回が限度…ヴァンに体を与えた時点で…分かっていますね?」 ヴァンは受け止める気になったのだろうか…全ての退路が断たれて… レイアを起き上がらせると…正面から抱っこした… 「恥ずかしいです…ヴァンさん… えへへ…やっぱり…大好きです…」 そう本当に恥ずかしそうにヴァンに呟くレイア… ヴァンも頷いて答えると…レイアが目をそっと閉じた 本当に幸せそうな笑みで…でも涙は嘘をつかずにそっと頬を伝う… 「私は幸せ者です…皆さんに見守られながら… なんとかやり遂げた形で……終われるんですから… 幸せ…でした…」 力なくヴァンの胸板によりかかるレイア… 「俺も…幸せだ…」 ヴァンもどこか優しい瞳で目を閉じた…
「馬鹿です…大馬鹿者としか言いようがありません…」 レザードがはじめて見せる…悔しさと怒りが混じった無理な笑顔… 全て自分が蒔いた種だからこそ…罪の意識を感じてこその表情であった その場にいる全員がレイアの死に悲しむもまもなく…レザードがヴァンとレイアの元へ歩んでいく 「レイアはヴァンの魂を抱えながら命を削り… そして、自ら覚醒した神の魂に耐え切れずに…命を落とした…」 レザード以外はまだ気がつかない…レイアと共に動かずにいるヴァンを… 「ヴァンは精神崩壊したレイアを生かす為に魂のほとんどを授けた… またどんなに新しい肉体を授けられても… 覚醒した主神の魂に耐え切れる体はこの世に存在しない… そして…不安定な肉体生成をしたレイア本人の死と共に…ヴァンも… レイア以上に寿命がないと言うのに…こんなに恋人を心配して…」 レザードの瞳に熱い雫がたまり始め…レザードは床の地面に手を付いて 自らの罪の深さと重さに心の中で嘆いた 「ヴァンも…レイアと一緒に死んじゃったって…事?」 レナのその一言のレザードは深く頷き… その場にいる全員は心強い二人の突然の死と共に…嘆き…苦しみ… 突然の事に混乱し…悲しみで溢れかえった 世界を守るために戦ってきて… ディアスや…クロード、ギョロとウルルンの死を乗り越えてなお…分かっていた… 誰も欠けないでいる保障などどこにもなかったのだから… シャルはその事実を知ると同時に気絶…アーツが涙を零しながら 幸せそうな笑顔のレイアとヴァンを見つめる 「後は僕達に任せるプ…」 レナはオーマを強く握りながら大きく息を吐いて…緩んだ涙腺から大量の涙が溢れ出す… 「くろぉ…どぉ…でぃあすぅ…泣いて…いぃ…よねぇ……?」 なんとかこの仲間達で心を支えていたレナが少しだけ…オーマを抱きしめながら…泣き崩れた 「あぁぁぁぁあああッ!うぁあああああッ!!!」 ヴァルンティスは二人とほとんど面識がない… それでも皆が悲しむ姿を見るのは耐え難いもので… ズガンッ!! レオンは壁が吹き飛ぶかと思うような一撃をいれ、震え…壁にもたれかかって唇を噛み締める ヴァンと戦った思い出などを思い出す度に…思い出す度に… リヴァルがフラフラとした足取りでレイアとヴァンの元へ行くが… 「…二人が…光に…なって…」 レイアの体はヴァンから与えられた魂の煌き… ヴァンの体はレイアの魂の輝き… お互いの体は光となって…部屋全体に柔らかくて…優しくて…力強い… そんな光で溢れかえっていた… 「行こう…皆… 私達は…二人の分も… 進まなくちゃいけない!」 レナは涙を右腕でさっとふき取るとオーマをカッと床に突きつけ…部屋を後にする 皆…その部屋に広がる光に背中を押されるかのように…部屋を後にした ---惑星ストリーム タイムゲート前--- 常に嵐でも吹いているかのような気候… 空は常に薄暗く…今にも雨が降りそうな雰囲気… そんな中でレナ達はタイムゲートの前で模索をし始めるが… 「おかしいと思いませんか?」 レザードの一言にレオンは聞かずに頷く 「”代弁者 ”達が出てこない…明らかにこの惑星ストリームのほうが危険だというのに… もしかして…ここには何もないとか…」 ヒュゥゥウウウウウウンッ!!! その空を切る音に全員が一瞬警戒するも…降りてきたのはスター・アシュトン… レナが空を見上げるが何も追ってきていない… ブゥン… 融合を解除すると、プリシスがアシュトンを抱えてレナ達のところへ駆け寄る 「いやぁ…途中で追っ手が消えちゃって…なんとか戻ってこれたよー… 皆待たせちゃったね…!!よっし!敵地に乗り込んでぱっぱとおわしちゃお!!」 「おー!!」 元気満点なプリシスとアシュトンに皆…心落ち着けた プリシスはほえ?と言いながらテンションに乗ってこない皆に違和感を覚えつつ… アーツに背負われているシャルを見て首を傾げる 「あれ…?シャルどうしたのー?やっぱり疲れた? って…ん?…えっと…ヴァンとレイアは…?」 どこか話し辛そうにするレナながら、全てを話した 「う…嘘…」 突然の知らせにプリシスは唇を噛み締めて…ギュッとアシュトンを抱きしめる 強く強く…アシュトンも抱きしめ返す 「僕もいつまで二人がもつかは気がかりだったけど… やっぱり…あそこまで神の力を使えば…」 プリシスが顔をあげて…息をめい一杯吸い込んで、大きく叫んだ… 「創造主のぉッ!! 馬鹿やろぉぉおおおおおッッ!!!!」 涙を零しながらの精一杯の叫び… 木霊す言葉… 荒い息をついて…プリシスは深呼吸したかと思うと…力強い表情へと変わった… アシュトンがにっこりと微笑む レナもそのプリシスの様子に笑顔で前を向いた ”アイスニードル ” それは完全なる不意打ち タイムゲートの前でレナ達を見渡すかのように立つ黒い悪魔 その悪魔は奇妙な声と共にシャルとアーツに向かってアイスニードルを放っていた 「シャル!!アーツ!!」 レナやプリシス、アシュトンはおろか、反対側にいたレオンとリヴァル… 気を張っていたヴァルンティス…模索していたレザードさえ…その悪魔の存在に気付けずに… また…仲間を…失う…? ズガガガガガガッ!!!! 「間一髪ねぇ…」 シャルとアーツの前に誰かが立っていた 目を開けたアーツは自分に何の傷もないことにビックリし…目を細める 「助けてくれたんでプか…?」 金髪のツインテールのその少女は、攻撃を受け止めた差し棒を振って、元気に答えた 「もっちろん!!」 またプリシスとは違うテンションで現れた少女はタイムゲート前にいる悪魔を見つめる まだ不信感の募る相手ながら…確実に敵であるその黒き悪魔をレナ達は睨み付けた ”我ハ断罪者… 貴様ラハ死ヌノガ怖イノカ? ” ふらふらとした足取りでその場に立ち続ける”断罪者 ”と名乗る存在 数枚もの羽や存在の仕方など”代弁者 ”達によく似ている… レザードが目を細めている様子だが…何も答えようとしない… まだ話す余地があると分かったレナは前に出て答える 「死ぬのは怖くありません… ただ私達は仲間を失って絶望する事を…何よりも恐れています」 その答えを本当に聞いているのか分からない相手ながら…”断罪者 ”は答えた ”ホォ…デハ…一瞬デ消エレバ… イイノダナ? ” 戦いを挑んでくるものだと思ったレナ達は一斉に戦闘態勢に入る だが…”断罪者 ”は動かずに…ゆっくりタイムゲートの入り口へと下がっていく ”オ前達ノ原点デアル、エクスペル… 過去ノエクスペルヘ行ッテ… 我ガ…オ前達ノ祖先ヲ消シ去ッタラ… ドウナルト思ウ?” 何を言っているのか分からなかった エクスペルの祖先を消し去る…? 「何を言ってるの?過去になんか行けるわけ…」 眉を潜めたプリシスがそう疑問を持ちかけたとき…レザードが少し焦った様子で叫んだ 「タイムゲートを使って過去のエクスペルへ行くつもりです!」 一斉に全員がその事実を知って驚愕し、リヴァルがレオンに疑問を持ちかける 「もしエクスペルの祖先が全て消されたら…レオン達は…?私は…?」 レオンは考えたくもない様子で駆け出した ゴォォォオオオオオッ!!! タイムゲートが眩く開くと…”断罪者 ”は奇妙な笑い方をしながら異空間に飲み込まれていく 全員がそこへ飛び込もうとしている矢先、再びレザードが冷静に答えた 「待って下さい もし過去のエクスペルへ行っても…この時代に戻ってくる保障はありません…」 ヴァルンティスが頷いて腕を組む 「それに全員が過去のエクスペルへ行ったら創造主の思う壺だ 仲間を分断させる作戦かもしれない」 そんな中…迷いのない表情のレナ一人がタイムゲート前で立ち止まり…皆に振り返る 「私だけで行きます」 プリシスが必死な様子で首を全力で横に振った 「駄目だって!!もう戻ってこれないかもしれないんだよ!?」 アシュトンもコクコクと頷いて見せ、レオンとリヴァル、アーツの不安げな表情にレナは笑顔で答える 「結局誰かがその陰謀を止めなくちゃいけない でも…ここで自分達の存在を消されないがために… 全員が過去に行くのは違うと思う… 私達はこの世界を守るためにここまできた… だから…皆、行って下さい」 何か言いたそうな表情のプリシス…グッとその言葉を飲み込んでうつむいた 今ここでレナを呼び止めて一緒に行くのは…レナの勇気ある決断を裏切ってしまう… そこにいる全員がその場から動こうとせず…レナを見つめる 「私に任せて欲しいの 私達が抱いてきた夢…生きてきた証… 絶対に消させはしないから」 どこかレナはあの時のクロードのようであった… 皆に背を向けると…レナは震える指先でギュッとオーマを握り締めて…力強い笑顔で異空間に飛び込んで行った 吹き荒れる嵐は止む事無くプリシス達に吹き付ける… 「行こう…と行っても…どこに行けばいいの?」 プリシスが分からないこれからの行き先に首を傾げた リヴァルもタイムゲートをじっと見たままレナスと話あっている様子… 「今タイムゲートが創造主の管理下にあるのなら…容易に使うこともできませんね」 レザードが眼鏡をクイッと上げると息を付いて考え始めた ブンッ!! ヴァルンティスが相当な勢いで拳を後ろに振り上げる 「ひぃ」 ズッガァアアアアン!!! 少女ぎりぎりで後ろの岸壁が吹っ飛んだ 鷹の様な鋭い目つきで先程から疑問な少女を睨みつけ… 「お前は誰だ」 冷汗をかきながらもヴァルンティスの拳を下に両手で下げる 「私はウェルチ・ビンヤード!君達が世界を救うっていうのを聞いたから… 私も仲間にいれてもらおうと思ってね!!」 皆、相当な警戒心と共に一歩下がり、リヴァルが尋ねた 「何に乗ってここに来たんですか…?」 プリシス達の噂を聞きつけて来たとしても…宇宙船が降りる音は聞こえなかった まして相当な実力者にも見えない… ウェルチは苦笑いして誤魔化しながらテクテクと背を向けて歩いていく 「こ、根性!!」 失笑する他ない発言ながら、レザードが眼鏡を光らせる 「あなたは創造主の手先で… わざと”断罪者 ”に攻撃させてシャルとアーツを守った事で仲間意識を持たせ… ”断罪者 ”の陰謀で分断させる… そして油断した私達を消そうという魂胆ですか?」 ウェルチが笑顔で止まったまま、あははと言いながら固まった… プリシスが訝しそうな表情で目を細める 「私達こんな人にやられる程弱くないよ…創造主馬鹿なのかな?」 プリシスの弱いの一言にウェルチがむきーッと言いながら頬を膨らまして迫り… 「あんたも、そ、そんなに強いようには見えないけど…?」 そう言った途端にウェルチの視界が反転…気が付けば地面に伏してフェイズガンを向けられていた 「わーすごーい……」 ズガンッ!! プリシスが胸に抱えていたアシュトンがウェルチのお腹めがけて落下 「げふぁぁッ!!」 ウェルチはお腹を押さえながらもがく… 「何なのこの人…」 皆無言でどこか呆れて…そのウェルチがどこか哀れに見えてきた ---アポトロディウス内--- あまり害がないと認められたという事で、いくつもの拘束紋章で動けなくなったウェルチ… レザードが何かの生贄にしたいと言ってきたが、さすがに皆が反対 タイムゲートが容易に手出し出来なくなった事で レザードが思いつく創造主の本拠地への乗り込みができないでいた レナの安否が一番気がかりながら… 自分達の存在はまだ消えていないが… どうにかして過去に行ったレナの救出と共に”断罪者 ”の陰謀を阻止しなくてはならない… だが創造主が自分達を放っておくはずがない…のだが… 「どうして”代弁者 ”達が襲ってこなくなったんだプ?」 アーツの質問…シャルをまだ背負っている… ウェルチは観念したのかうつむきながら答えた 「あまりにも飛びぬけた存在”エクセキューショナー ”は… この世界に大量に居過ぎると…この世界に支障をきたすから… 一時的にこの宇宙の理がある程度均等になるまで待つみたいよ?」 軽々と話すが内容的には考えられる範囲内… 飛びぬけた存在を倒した自分達が世界に支障をきたすのか? という質問はプリシスは怖くてできない… 「均等になったらまた出てくるとなると時間がそうないのかな」 レオンが悩ましい表情で呟く 「みたいですね」 リヴァルが刻々と過ぎていく時間をどこか悔しそうに唇を噛み締める レザードがウェルチに小ばかにした嘲笑をして、見下した 「”エクセキューショナ”の代わりに出てきた刺客が…あなたというのは信じられません」 悪かったわね!!とだけ言ってウェルチは黙る 刺客だったようだ… 「で?あなた達はこれからどうするの? どうしたいわけ?創造主の場所知りたいなら教えるけど」 ウェルチが行き先が分からなくなって立ち往生していたプリシス達に真面目に答える プリシスはパチクリと瞬きをしながらウェルチの前で腕を組んでみせた 「本当に知ってるの?」 ウェルチが真面目な顔でコクコクと頷く 「エリクール2号星のなんとか砂丘」 真面目に創造主の手先とは思えない人物だが…星の名前を適当に言っているとは思えない… 「明らかに創造主に釣られてる気がしますが… このままここでジッとしているよりましでしょう」 全員は頷き、エリクール2号星へ行くことを決意… 「では分かったので生贄にしていいですか?」 レザードが口元をニヤつかせながらの黒い笑みはウェルチを震え上がらせ… 「場所分かったって入り方知らないくせに…!」 ハッと気が付いたときにはウェルチは口を滑らせていた レザードの眼鏡が怪しく光っている 「その調子で聞かせてもらいましょうか…」 ウェルチは震え上がった *こめんと* 濃い内容ー…挿絵何にするか迷いました…; という事でついに惑星ストリーム! ここが最終局面だと思った方も多いはず! なのに……なのに…(泣 ヴァンとレイアが…オリジナルキャラということで愛着あったんですが…; オーディンの力フルパワーとフレイ姉さん、フレイアの力全開じゃやはり二人は体が持たなかった; でも二人がいなくちゃ繋げない橋だってあった! そしてストリーム… でも結局、断罪者の罠にレナだけが立ち向かっていき… 今の時代にいる仲間がプリシス、アシュトン、レオン、リヴァル、レザード、アーツ、シャルだけに… そして現れたおてんば娘…ウェルチ… ばらすことばらして…そしてこの流れ出でてきて…果たして何がしたいのか…!? レナの運命やいかに… 創造主の罠だろうと踏んでいながらも… プリシス達は、エリクール2号星へ!! こうご期待!!! 2009/03/14 蒼衣翼 管理人の励み、意欲になります!ご感想等、誤字脱字あれば下部の拍手でお聞かせください その他小説自体の御意見もよろしければどうぞ…! ↓
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