第一章 ハジマリ プロローグ 宇宙の星々の記憶… それは宇宙を形どり…人の歴史を物語る… そんな人々はただひたすらに己の不確かな明日を生きる 故に常に不安と悲しみが…そして絶望が… 「嫌なのよ…!ずっと…ずっと一緒なのよ…!!」 少女は先の未来が無くなる恐怖で体が震えていた 「僕だって…こんなところで…!!」 少年も同じ気持ちでまだ動く腕を伸ばす 「どうして…私を残して…死んでしまうの…?」 少女は自らの運命に抗えずに世界から目を反らす… 理解してくれる者もいたはずなのに… ”生きる ”という意味を忘れた… 「俺は救えなかった…誰一人…!」 故郷を失う勇ましき者は闇へと染まり 「醜いの…?だから捨てられたの…?」 少女が涙声で問い…少年が無表情で答えた 「あぁ、僕らは捨てられたんだ」 光から拒絶され…行く当てがない…そして闇を求めて歩き出す… 「我は確かに存在した…だが…今や存在し得ない」 絶望の中で見出す光は本当に微量で…全てに行き渡らない… それでも人々は希望を探して旅を続ける… そう…それこそ人々の生きる性… 「ねぇ…またお話し聞かせてよ…!」 少女はその物語を何度も何度も…毎日聴きに来る… 「うん、分かった分かった」 少女は目を輝かせながら話に聞き入った 「遠い昔…いえ…昔というのもおかしな話だけど… 常にこの広大な宇宙を守る勇者が歴史ごとに存在したの… それでね…」 物語は始まりを迎え… 未来へと向かって語り継がれ…進み続ける… そんな星々の大海(スターオーシャン)の長い長い…物語… back