クロードは誰の物?
















Q:あなたはクロードの事どう思いますか?






Sさん「まだまだおこちゃまですけど…またそこが母性本能をくすぐられますわ」

Pさん「いや、あたしはクロード目当てで着いてきたって言っても過言じゃないよ!」

Oさん「クロードにはもっと大人の魅力を教えて上げたいわ…愛っていうのもね」

Tさん「いやぁ…やっぱり伝説の勇者と付き合えたら凄い記事が…いや普通に好きなんだけどね」

Uさん「お姉さんの魅力ってやつにクロードも気づき始めてると思うのよ〜」

Rさん「え?えっと…その…その…あははー」





---エナジーネーデ 宿屋 食堂---


「結局クロードはレナの事どう思ってるのさッ」


皆で夕飯を食べている時ふとプリシスが言った一言でクロードがあたまをかきながら


「よ、良き友人だと思ってるけど…」


そう、その一言で女性陣全員が内に秘めていたクロードへの想いが開花したのだった

今のいままでレナとどっちつかずながら、うまくやっている思っていたメンバー

一気にレナに視線を移すメンバーの目はマジ…

「う、うん…」

レナが苦笑いで答える、メンバーの威圧に押されていた

その言葉で全員がすぐさま視線をクロードへ戻す

「先手必勝ですわッ」

セリーヌが椅子から立ち上がってクロードに抱きかかる

むにゅん

「ちょッセリーヌさッむぐぐぐぐ…!」

豊満な胸でクロードの顔を包みこんだセリーヌは満足げにクロードの頭を撫でた

「ほうら!クロード…どうですのぉ…?」


ズギャアアアンッ


と言い終わる前にオペラの威嚇射撃(実弾)がセリーヌの背中をかする

「そんな動物本能くすぐる事しかできないなんて…セリーヌも程度が低いのね」

セリーヌを押しのけ、オペラがサラサラの金髪をなびかせてクロードの後ろに立つと

「クロード…?私の事…どう見てくれてるの?」

そう言いながらクロードの耳元で囁いた

どこかクロードもドキドキしているのだろうが…苦笑いで冷静に答える

「良いお姉さんかなぁと…」

ガタタ…

オペラが床に崩れ落ちる…セリーヌは小ばかにするように笑っていたが…

「セリーヌさんも…」

ドサッ

セリーヌも床に豪快に崩れ落ちた

そんな二人を見てかチサトが余裕そうな表情でクロードの前にずいと顔を出す

「ねぇねぇ…クロード私は!?」

クロードが申し訳なさそうに頭を下げている、笑顔な表情は変えずに

「じゃ、じゃあ…お付き合いを前提に…!」

より重なった申し訳なさそうな笑顔

チサトは一息ついてボソっとクロードの耳元で呟く

「なら…記事で私達の関係でっち上げていい?

本当は子供が3人もいたとかさッがぁッ!」

セリーヌの鉄拳、オペラのコスモライフルでチサトはノックアウト

「ほらほら…ヒロインな私に任せなさいって」

ウェルチが余裕な表情でクロードの横に立つ

「クロード…実は私…ネーデ人なんだ…

驚いた…?私エクスペルじ…ぐはぁッ!!!」

なんだかおもいっきり被る設定にさすがにレナを除くメンバーがチサト以上の仕打ちをする

「設定不明な隠しキャラに何ができるの…?」

オペラの威圧した三つ目にウェルチがさすがに子猫のように怯えた

頃合を見てプリシスがクロードに駆け寄って来て

つぶらな瞳できゅるるんと眉を潜めて上目遣いで見つめる

「ッ…」

クロードが目を反らした事でプリシスは確信したのかクロードの腕にしがみ付いて顔をすり寄せた

「ぷ、プリシス…?」

プリシスがまたしてもつぶらな瞳でクロードの瞳を捕らえる

「あたし、セリーヌとかオペラみたいに胸おっきくないけど…頑張るから…だから…」

なんだかマズイ雰囲気になってきた空間にクロードが慌てながら天井を見つめた

「あ、僕急にトイレに行きたくなってきたなぁー!」

明らかにバレバレな言いように全員身動きせず…

「あ、レナ!?ちょ…助けッ」

レナがどこか苦笑いのままその場を後にする

「僕が何をしたって言うんだー!!」

ひっついたままのプリシス

背後に揺らめくセリーヌ、オペラ、チサト、ウェルチの影…

「これならば力ずくですわぁ!!」

飛び掛るセリーヌ、そんなセリーヌを張り倒すオペラ

名刺を投げつけるチサト、指し棒交えてのウェルチの抵抗

未だクロードの腕にしがみ付いているプリシス

こんな状態でもみくちゃになっているクロードはいつのまにやら半裸…

そんなごたごたした中でクロードは不意に誰かに手を引かれて…





---宿 廊下---

「はぁ…はぁ…レナ…助かったよ…ありがとう…」

上半身裸で凄い汗びっしょりでキスマークだらけのクロードを見てレナは目を反らす

「風邪…ひいちゃうよ…?」

クロードは微笑しながら掴まれていた手をゆっくり離した…

「お風呂入ってくる…」

レナがうつむいた状態でコクリと頷く、どこか何か言いたげな様子で…

「ねぇ…クロード?私達…って………や、やっぱりなんでもない…」

何か引っかかる言い方にクロードが悩ましい表情で立ち止まる

「あ…あぁ…」

どっちつかずな二人…

一番メンバーの中で一緒にいる二人の筈なのに…クロードは鈍感…

レナは少し引き気味…それに加えてメンバーが女性ばかり…

レナが他の個性豊かな魅力ある仲間達になぜだか肩身を狭くしていて…

自らの魅力や、自信を無くしている

他の女性の仲間達も男性がクロードだけあって…よりクロードが輝いて見えて

全員がクロードを意識しているのは誰だってわかっていた


「あーあ…そうやって最後はレナが持ってちゃうんだからー…」

プリシスを口を尖らせて背を向け、他の仲間達も戻ろうとするが…

「私がヒロインなんだからぁああ!!」


ズゴンッ!!


ウェルチは全員に熨された




本当にこれまで曖昧な気持ちで旅をしてきている…

そのままクロードとレナは悪い具合にお互いの関係が曖昧なままでいた

長い時間黙る二人はその位置で固まっていて…

不意にレナが呟いた

「私ね…クロードが皆にちやほやされてて…見てられなかったの…」

怒っているのだろうか…そんな雰囲気をかもし出すレナ…

クロードはそれを感じ取ってレナとは目を合わせず…その場で聞き留まる

「私だけクロードにかまってもらえなくて…なぜだか寂しかった…

私も何かアピールすれば良かったのかもしれないけど…

できなかったの…」

クロードの心が一瞬揺れ動く…

寂しそうな表情をするレナを見てクロードは自分さえも寂しい気持ちにかられた…





---宿 ロビー---


「なんでレナにだけ惚れ薬効かないかなぁ…」

ウェルチがポツリと呟いた一言にセリーヌが襟首をつかみ上げた

「妙に変なテンションだと思ったら!

食事に何しこんでますのよッ!危うく5人で襲っちゃいそうでしたのよ!?」

プリシスがなぜだか脱いでしまった服を着ながら頬を膨らます

「恥かいちゃったじゃん!お嫁に行けないってー…!」

オペラが冷静な表情でウェルチの言葉に耳を傾けた

「レナが私達が前に出過ぎちゃう事で…想いを封じ込めてるのね…」

チサトが申し訳なさそうにソファーに寝転がって天井を見つめている

「結局…私達ヒロインには向かないってことかー」






---宿 倉庫---


いつのまにかだった…お互い心が苦しくて…ドキドキしだしたのは…

クロードはレナから数メートル離れたその場から歩けずにうつむいている

「私…魅力…ないから…アピールなんて…できるわけないんだよ…」

そう聞こえるか聞こえないか分からない声で囁くレナの言葉は

クロードにかすかに聞こえていた

そしてクロードは仲間達の中で一番レナの良さを知っている

「レナは…」

その時クロードはゆっくりレナに向かって歩き出す

「レナは魅力的だよ…優しくて…面倒見が良くて、色白で…綺麗な瞳の色をしている…

まだまだいっぱい…」

レナが胸を押さえながら唇をキュッと締めた

クロードの顔なんて見れるわけがない…きっと格好良いに違いないのだから…

レナは言葉を切る様に言葉を紡ぐ、言えなかったことを次々に…

「クロードだって…出来過ぎてるぐらいに…格好良い…」

惚れ薬のせいなのか、元々その想いを隠していたのか…

レナがうつむき、頬を赤らめながら体を震わせる

「どうしようクロード…ドキドキが…止まらないよ…」

クロードはそんなレナの前に立つと…

そっと震える手でレナの頬を優しく触る

ビクンと反応するとレナ…いつもなら引くはずなのに…

その触れた大きな手を自分の小さな手で包み込む

お互い…体温で手で共有しながら、本当に恥ずかしそうに…うつむいていた

「私…本当はクロードが他の皆と喋っている時、妬いてたのかもしれない…

今までずっと気のせいだって…思い込みながら…」

自分の想いに気がつけば…クロードだって動かずにはいられない

クロードは震えながら、小さくて華奢なレナの体を優しく不器用に抱きしめる

「わっ…は…はぁ…クロー…ド…」

トロンとした瞳でレナはクロードの大きい胸板に顔をうずめた

クロードはどぎまぎしながらも胸に収まっているレナを見て愛おしく思い…

そっと頭を撫でると…レナが突然足から崩れ落ちる

「れ、レナ!?」

とっさに抱きかかえるクロードは今までにないほどにレナを心配していた

「ご、ごめん…安心し過ぎて…力が抜けちゃって…」

あははと苦笑いしながらクロードの腕にギュッとしがみつく

クロードが安堵の笑みを浮かべ、再びレナを抱きしめる

不意に零れる…

「僕って誰のものなんだろう…」

異性から求められるという意味もあるのかもしれない…

ただクロードは今まで生きてきた中での意味も聞いていた


「クロードのものだよ

息を吐くのも、意見を言うのも、自分の意思で動くのも…

全部クロードのもの」


その言葉にクロードは涙を零さずににはいられず…





二人とも…どこかわだかまりが消えた笑顔で…いつまでも笑っていた
























† 蒼衣こめんと †

12/27まで行ったリクエスト、zerazuさんの「クロレナでクロード女性陣取り合い」

ということで書かせていただきました!

クロード誕生日企画って事でも良いかなぁと…(すいません…やはり時間がっ

もうちょっとレナが取り合いの反動でぎゃぎゃーやるのもよかったのですが

取り合いで気づく気持ちもいいかなーと

なんだかこそばゆいですねー

ではでは、zerazuさん、リクに感謝と共に

ここまで読んでくださった方に感謝!






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