ふたり










最近クロードは帰りが遅い

一週間帰ってこないこともある

任務になると半年帰ってこないとかがあったり

私、レナはとにかく毎晩泣くのが習慣になってしまっている


愛しい


肌身離さず触れ合っていたいというのに彼、クロードはなんだか帰ってきてもすぐに寝てしまう



疲れているのでは?


そんなことは分かっている

だから遠慮してしまう自分が凄い憎らしい

今すぐにでもクロードの胸に飛び込んで温もりを確かめ合いたい…


はぁ…


なんだかなぁ…



今日は半年ぶりにクロードが帰ってくる日

この日を何回カレンダーを見て確かめたかは分からない


ただただ私は期待に胸を膨らましながらお料理を頑張って作り

部屋やお風呂も綺麗に掃除してクロードが喜んでくれるように頑張ってみる


クラッカーなんかを買い込んでいっぱいならしてクロードを驚かせたい

その一心で玄関口の影に隠れてクラッカーを打つ準備をしてみる

だが時間がたってもクロードは現れない



分かってる



クロードが予定通りに帰ってきたことはほとんどない

任務の後の色々な後処理などがあるのだ



今日も…


一人で…


待っている




コーン…


今日という日が終わりを告げる鐘が鳴る


私は頭を上げて回りを見渡す


冷えた料理

物静かな部屋

一人の私


寂しさが増す



これは夢

夢だよ



そう言って私はもう一度寝息を立てる


きっとクロードが私を起こしてくれる





…

……

………

締め切ったカーテンから日差しが私を指す




朝…



回りを見渡すが…


クロードはない


一応台所やトイレ、お風呂も覗いては彼の名を呼んでみる


いない



そっか…



もういっちゃったのかな


ふとテーブルを見るとメモ用紙のような物が置かれていた



『ごめんレナ

また緊急で任務が入ったんだ…

本当にごめん』



私は目をこすりながら用紙の後ろを見る


他に何も書いてないかな?


後ろには今日の献立が書いてあった




切なくなった

寂しくなった



涙が溢れてきた




あれれ…




涙が…


いっぱい






「レナ」




ギュッと抱きしめられた


「クロード…」



どこに隠れていたのだろうか…


一人切りは寂しかったんだよ?




………


クロードはいなかった




私は重症らしい



きっとクロード病だ



いるような錯覚を覚えた





私はそのまま床に崩れ落ち、ポロポロと涙を零した


「会いたいよ…クロード

一人はやだよ…」






もうクロードがいなくては生きていけなくなった私




もう死んでやろう


そんなことまで考えた





だからベランダから私は落ちた





エクスペルと違って天空を貫くほどのマンションがいっぱい建っている

下は真っ暗で…


底なしに見えた








「レナ」


私はハッと気が付いて頭を起こす


「夢?」

私は周りを見渡しながら呟く

「うなされてたよ?」

横にはクロードが心配そうに私を見つめている

「あはは…」

あまり洒落にならない夢

本当にそこまで追い詰められたらやってしまいそうで怖い

私は顔を上げてクロードを見つめる

「これも夢?」

クロードは苦笑いして私の頭を撫でる

ついつい嬉しくてクロードに抱きついた




「私…一人はやだ

クロードと二人でいたい」


二入でお風呂に入って色々遊んだ後、私とクロードはベッドにいた

ほかほかの体

クロードは呟く


「今日から…一ヶ月の休みをもらったんだ」

私はなんだか飛び跳ねたい気持ちでクロードにしがみつく

「嘘だったら怒るよ?」

ぷくーっと膨らました頬をクロードがつつく

くすぐったい

「ちょっと最近頑張り過ぎてたからね

気を利かして一ヶ月も休みをくれたんだ」


私は嬉しくてたまらなくてクロードの唇を強く奪った


我慢してよかった

きっと神様は見ていてくれたんだ


私…いっぱい頑張ったから




ふたりでいられる幸せ


噛み締めて



私は眠りについた








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